日本経済は不景気が長く続いていることから、お金についての不安が無くなりませんよね。将来的な給料アップも期待できないため、できるだけ支出を減らして節約している人も多いでしょう。
特に、車は「金食い虫」と呼ばれるほど、所有しているだけで税金や保険代などの維持費が掛かってしまいます。そのため、税金の安い軽自動車に乗り換えたり、クルマ自体を手放すといった人が増えているようです。
都内であれば、交通網が発達しているおかげで、車が必要ないと感じている人も少なくありません。
ただし、車がないと不便な場面もありますから、コスト面なども考慮して本当に車が必要ないのかを解説していきます。
目次
若者のクルマ離れが進んでいる理由とは?
最近はニュースなどで、「若者のクルマ離れ」という言葉を耳にする機会が増えました。車を買う若者が大幅に減ってしまって、自動車メーカーも頭を抱えてしまっているようです。
この理由としては、以下のようなことが考えられると思います。
- クルマ以外にも娯楽が増えた
- インターネットの普及でインドア派の人が増えた
- 渋滞に巻き込まれたくない
- クルマが無くても生活ができる
一昔前までは、社会人になったら車を買うのが当たり前でした。デートや買い物をするときに車がないと話になりませんでしたし、ドライブが趣味という人も多かったからですね。
でも、最近だと、クルマ以外の娯楽がたくさんありますから、わざわざ車を買う必要性がないという現状があります。カラオケやスマホ、ネットサーフィンなど、クルマが無くても楽しめることは多いです。
ただし、これがクルマ離れの本質的な要因ではありません。若者がクルマを持たないもっと大きな理由としては、「お金がない」といったことが挙げられると思います。
日本自動車工業会が行ったアンケートによると、20代の若者がクルマを持たない理由は次の通りとなりました。
- 買わなくても生活できる(40%)
- 駐車場代など今まで以上にお金がかかる(28%)
- 自分のお金はクルマ以外に使いたい(23%)
半数以上の人が、経済的な理由で車を持っていないということです。
若者の給料は安いですから、クルマに使っている余裕がありません。車を買うくらいなら、他のことに使ったり貯金に回したいというのが本音でしょう。
特に、都内だと駐車場があり得ないほど高いです。平均で3万円くらいですし、高いところだと5万円を超えることもあります。車を置くだけで高額な料金がかかるために、都内だと車を持つ人がどんどん減っていますね。
都内だと車が無くても生活できる
クルマを持つ人が減っている要因として、無くても生活に支障がないという理由もあります。都内だとインフラが発達していますから、遠距離まで移動する必要性が無いためですね。
交通機関がものすごい
都内の電車やバス路線図を見てみると、網の目状態に張り巡らされています。基本的に、電車とバスで行けない場所はないですし、数分おきにやってくるのであまり待つ必要もありません。
時間の予定も立てやすいですから、公共の交通機関を使った方が明らかに便利なわけです。深夜で終電を逃してしまっても、タクシーを使えば数千円で都内の自宅へ帰ることができるでしょう。
クルマだったら渋滞に巻き込まれることがありますし、目的地へ着いたとしてもパーキングを探す手間が掛かります。
徒歩圏内だけで生活できる
東京都内では、徒歩10分圏内で大抵のものはそろいます。コンビニやスーパー、美容室や銀行、郵便局など、生活に必要なお店は歩いて行くことができるわけですね。普通に日常生活を送るだけなら、クルマが無くても十分です。
地方だと車で10分以上かけてスーパーへ行くことも普通でしょうが、都内に住んでいる限りそういった心配はありません。
駐車スペースが少ない
地方であれば、どのお店へ行っても駐車場が完備されています。スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどでも、無料駐車場が用意されているわけです。
でも、都内だと駐車場がある店は、ほとんどありません。あっても有料駐車場ですから、お金を払う必要があります。
そして、繁華街へ出かけてもパーキングエリアが限られるので、どこも満車で止められない場合がありますね。そういった理由から、出かけるときには電車を使った方が良いと考える人が多いです。
維持費を考えると割に合わない
都内で仕事をしている人は、毎日クルマに乗ることはできません。平日は夜遅くまで残業していますから、クルマに乗るのは休日だけといった人がほとんどです。
でも、車に乗らなかったとしても、税金や保険・車検などのコストは掛かります。そういった維持費を考えた場合、高いコストを支払う価値は少ないといえますね。
あまり乗らないのなら、クルマを手放して維持費を浮かせたいと考えるのが普通だと思います。
クルマを持つことのメリット
都内などの都心部に住んでいるなら、クルマを持たなくても不自由なく生活することは可能です。でも、クルマがあった方が、何かと便利な場面が多いのも事実でしょう。ここでは、自家用車を持つことのメリットを整理してみます。
大量の荷物を運ぶことができる
旅行や買い物などをするときは、荷物が多くなってしまいがちですよね。そんな時に、電車やタクシーで移動するとなると、なかなか大変なことだと思います。
夏や冬のバーゲンセールの季節には、大量の買い物袋を提げた人を電車で目にすることが多いです。両手に荷物を抱えてお店を回るわけですから、かなりの重労働だといえるでしょう。
また、旅行シーズンになると、大型のスーツケースを引っ張る人を街の至る所で目にしますよね。人混みの中を重たい荷物を持って歩くわけですから、目的地へ着く前に疲れてしまいます。
こんな時に、マイカーがあれば荷物を楽に運ぶことができますし、移動中も快適に過ごすことができますよね。
目的地まで一直線に到着できる
電車で移動するとなると、駅まで歩かなくてはいけませんし、途中で乗り換えによる待ち時間などが発生することがあります。目的の駅に着いたとしても、そこからさらに歩いて目的地までいかなくてはいけません。
これが意外と面倒で、余計な時間が掛かってしまったりするわけですね。特に、雨が降っているときなどは、全身が濡れてしまうので嫌な気分になります。
でも、クルマであれば、自宅から目的地まで一直線に行くことができるわけです。渋滞に巻き込まれなければ時間的なロスはありませんし、雨や風にさらされることはありません。
時間を気にせずマイペースで移動できる
電車やバスを利用するときには、常に時間を気にしないといけません。都内だと数分おきの時刻表ですから問題ありませんが、それでも終電の時間は把握しておく必要があります。
しかし、クルマの場合であれば、何時であっても気にせずに移動することができますね。深夜であっても関係ないですし、途中で寄り道をすることもできるでしょう。
時間に追われて行動しなくても良いので、精神的な余裕に繋がるはずです。
女性にモテやすくなる
「彼氏にするならクルマ持ちの男性がいいか?」というアンケートを実施したところ、8割の女性が「YES」と答えたそうです。
「デートの範囲が広がるから」というのが主な理由で、ほとんどの女性は車持ちの男性を求めているということになります。たしかに、公共の交通機関だけだと制限がありますから、女性からすると車があった方が嬉しいと感じるでしょう。
クルマが無いだけで8割の女性から避けられるわけですから、男性としては持っておいた方がメリットはありますよね。
プライベートな空間を確保できる
結婚して家族がいる人や仕事で忙しい毎日を送っている人は、常に周りに人がいるので落ち着く暇がないかもしれません。精神的な安定を保つためには、一人でゆっくりする時間を持つということが大切です。
そういった時に、クルマを持っていれば、プライベートな空間を確保することができます。車の中は完全な密室ですし、人がいないところへ移動することも可能です。
一人でドライブしてストレスを発散するという人も多いですから、クルマを所有することは精神の安定にも役立ちます。
やはり最大のネックはコスト
都心部でクルマを所有した場合、毎月の維持費がかなり掛かります。具体的に、どれくらい掛かるのかをシュミレーションしてみました。以下は、2,000ccの車で年間10,000km走行した場合の維持費となっています。
名目 | 内訳 | 年間の料金 |
---|---|---|
ガソリン代 | レギュラー:130円/L(税込) 燃費:10km/L |
130,000円 |
オイル交換代 | 3,240円×1回 4,320円(エレメント代含)×1回 |
7,560円 |
自動車税 | 2000cc | 39,500円 |
任意保険 | 21歳以上補償 6等級(新規) |
62,750円 |
12ヶ月点検 | 基本料金 | 14,040円 |
車検代 | 2年分(92,000円) | 46,000円(1年分) |
駐車場代 | 30,000円×12か月 | 360,000円 |
合計 | – | 659,850円 |
都内だと、年間で60万円以上も掛かるわけです。他にも、タイヤなどの消耗品や高速道路、出先でのコインパーキング代なども含めると、100万円近く掛かるかもしれません。これだけ支払って車を持ったとしても、費用対効果が合わない可能性が高いですね。
そう考えると、都心部でクルマを持つことは現実的ではありません。
カーシェアリングを使う選択肢もある
維持費が高くて払えないという人は、カーシェアリングを使ってみると良いでしょう。これはレンタカーと似ているサービスですが、15分単位で車を借りることができるので、ちょっとした買い物などに利用できて非常に便利です。
月に数回しか車に乗らない人であれば、数千円で利用することができます。駐車場代や車検などの維持費が全く掛かりませんから、利用者が急増しているサービスですね。
最大手の「タイムズカープラス」は、全国に約8,000のステーション数を誇り、会員数は60万人を突破しています。かなりお得なサービスですから、加入しておいて損はないでしょう。