雪道での運転のコツと注意点!雪道の初心者でも事故を防ぐ走り方

冬になると、首都圏でも雪が積もることがありますよね。雪国の人だと当たり前かもしれませんが、慣れていない人だと急な積雪に戸惑ってしまうことも少なくありません。

特に、雪道で車に乗ることになった場合、普段とは勝手が異なるので大変危険です。路面が凍結しているとブレーキが効かなくなって、重大な事故を起こしてしまう可能性があります。

誰かを巻き込んでしまわないためにも、雪道での正しい走り方を知っておいてください。

車に乗る前に心がけておくべきこと

雪をしっかりと落とす

車の上に積もった雪は、できるだけ落とすようにしてください。そのままで走行してしまうと、ブレーキ時にフロントガラスに被さってきて前が見えなくなってしまいます。

そして、靴の裏についた雪も、車に乗る前に落とすようにしましょう。そのままだと滑るので、ペダル操作を誤ってしまう可能性がありますね。

また、車内に雪を入れることで、湿度が上がってフロントガラスが曇ることもあります。何も良いことはありませんから、体中の雪はしっかりと払い落とすようにしてください。

スケジュールに余裕を持つ

雪道を走るときには、普段よりもゆっくりとしたスピードが基本です。また、道路も渋滞しやすくなりますから、通い慣れた道であっても余計な時間が掛かってしまいます。

そのため、時間に余裕をもって家を出発することが大切ですね。特に、通勤・通学などで遅れられない場合には、普段よりも1時間くらいは早めに出るようにしましょう。

いつもは朝8時に出ているなら7時くらいには出発したいですし、それでも遅れそうな場合には事前に連絡を入れるなどの対策が必要となります。

用意しておくと便利なモノ

雪道で必須となるのが、タイヤチェーンですね。スタッドレスタイヤを履いているなら良いですが、急な積雪の際には間に合いません。万が一の時のためにも、タイヤチェーンは常に車のトランクに入れておくと良いでしょう。

他には、以下のものも持っておくと便利です。

  • ブースターケーブル
  • 牽引ロープ
  • ジャッキ
  • スコップ
  • アイスクレーパー

寒い日はバッテリーの電圧が下がるので、エンジンが始動しなくなることがあります。そういった時のために、ブースターケーブルを携帯していれば安心ですね。

さらに、スタック時のためのスコップや牽引ロープ、タイヤ交換・チェーン装着のためのジャッキ、ガラスに付着した雪を取るためのアイスクレーパーなどがあると良いと思います。

雪道のタイプによって走り方を変えるべき

新雪

雪が積もったばかりの道路では、歩道や側溝との境界線が見えづらくなっています。なので、左寄りに走りすぎてしまうと、溝がタイヤにハマったり畑などに侵入してしまうことも少なくありません。

また、風が強い日は雪が舞うことで、視界が極端に悪くなります。ホワイトアウト状態になると、前のクルマすら見えなくなるので危ないです。

幹線道路なら他のクルマが走行した跡があるので分かりやすいですが、交通量の少ない道路を走る際には注意しましょう。

圧雪

雪道で最も多いのが、この圧雪ですね。車が通行することで雪が踏み固められた状態で、氷のようにツルツルに滑ってしまいます。特に、交差点付近の圧雪は、ブレーキ時のタイヤによって磨かれてアイスバーンに近い状態です。

ノーマルタイヤだと滑りやすくなるので、車に乗るのは避けた方が良いでしょう。なので、圧雪に強いスタッドレスタイヤを履くか、タイヤチェーンを装着するなどの対策が必要となりますね。

アイスバーン

積もった雪が解けて、再び凍った状態をアイスバーンといいます。道路の上に雪と氷が混じった状態になるので、スタッドレスタイヤを履いていても滑りやすいです。

特に、アスファルトが見えた状態の「ブラックアイスバーン」と呼ばれる状況が一番怖いです。これは、路面の雪がすべて解けて氷だけになった状態ですね。一見すると道路が濡れているだけに見えるため、ついスピードを出してしまいます。

雪道の中でブラックアイスバーンが最も怖いと言われているので、雪が止んだ後でも安心しないでください。

雪道での基本的な走り方6原則

アクセルやブレーキの具合をチェックする

停止時からアクセルを踏んでみて、どれくらいの強さでスリップするのかを確認することをおススメします。周りに車がいない状況でやるべきですが、これをすることでアクセルワークの加減が分かるようになるでしょう。

さらに、低速時から少し強めにブレーキを踏んでみます。ABSの作動状況や制動距離が分かりますから、運転をする上での目安になりますね。

車間距離を普段の2倍以上あける

雪道を走るときには、いつもより車間距離を多めにとってください。路面が滑ることで思うように止まれませんし、後ろから追突された際にも玉突き事故を防止する効果があります。

そして、数台前の車の動きや信号の色を確認して、早めにブレーキを踏めるように心がけましょう。乾いた道とは全く状況が異なるので、自分の力を過信しないようにすることが大切です。

幹線道路を中心に走行する

雪の中を車で走行する場合には、できるだけ大通りを中心に走るようにしてください。幹線道路であれば雪かきされていることが多いですし、交通量も多いのでわだちが出来ていて走りやすいです。

知らない道だとカーナビを使うことがあるでしょうが、案内通りに進んでいると裏道などへ入ってしまうことがあります。すると、思った以上に雪が積もっていて、立ち往生してしまうことも少なくありません。

カーナビでは道順や渋滞情報などは教えてくれますが、細い路地の積雪情報までは教えてくれないわけです。ですので、カーナビを過信するのではなくて、自分で安全な道を選ぶといったことが大切ですね。

フットブレーキを多用しない

雪道でのフットブレーキは、できるだけ使わないことが望ましいです。特に、ABSが搭載されていない車は、タイヤがロックして滑る原因になります。なので、エンジンブレーキを使うようにしてください。

AT車であれば、2速かローギアに入れて減速してから止まるようにしましょう。そうすることで、安全に止まることができますね。

ただし、スピードに乗った状態でエンジンブレーキを使うと、急ブレーキと同じ状態になってしまいます。そもそもスピードを出さないのが大前提ですが、中速域ではフットブレーキ、低速域ではエンジンブレーキを使い分けてください。

「急」のつく運転は避ける

雪道での運転では、スリップしないように注意を払う必要があります。

そのためには、急発進・急加速・急ハンドル・急ブレーキなど、「急」のつく運転は止めてください。車両の態勢が崩れやすくなるので、スリップの原因となってしまうからです。

アクセルやブレーキは6分目を意識して、ゆっくりとした運転を心がけるようにしましょう。そうすれば、急のつくような操作はしなくて済むはずです。

雪道での運転が終わったら洗車をする

雪道では、凍結防止剤などが撒かれていることが多いです。なので、雪道を走った後の車には、それらが大量に付着しています。凍結防止剤には塩分が多量に含まれているので、放置しているとボディが錆びてしまいますね。

ですから、雪が止んで晴れた日には、必ず洗車を行うようにしてください。ボディの下やホイールハウス内を重点的に洗うようにして、凍結防止剤を取り除くことをおススメします。

エンジンの駆動方式による特徴を知っておこう

雪道での走り方は、クルマの駆動方式によって変わってきます。自分のクルマの駆動方式を確認して、適切な走り方をしなくてはいけません。

FF車(前輪駆動)

FF車は前のタイヤ2本が駆動するタイプなので、直進安定性に優れているという特徴があります。なので、まっすぐ走る分には、雪道であっても安定しやすいです。だからと言って、スピードを出しすぎないように注意してください。

FF車の欠点として、アンダーステアが出やすいということがあります。アンダーステアとはハンドルを切っても曲がらない状態のことで、スピードに乗ったままでコーナーへ侵入すると曲がり切れずにガードレールに突っ込むことになるでしょう。

ですから、コーナーの手前でしっかりと減速してから、ゆっくりと曲がるようにしてください。下り坂だとスピードが出やすいので、かなりの注意が必要ですね。

FR車(後輪駆動)

FR車は後ろのタイヤ2本が駆動するタイプで、タイヤがスピンしやすいという特徴を持っています。走り屋がドリフトしているのを見ると、どれだけ滑りやすいクルマなのかがよく分かるでしょう。

上り坂だとタイヤが空転して発進不能になることがありますから、坂の前で加速を済ませておく必要がありますね。

また、ハンドルを切っているときに、アクセルを踏み込むとスピンしやすいです。なので、カーブの途中ではハンドル操作だけで走り抜けるようにしてください。

4WD車

4WD車はすべてのタイヤが駆動するので、走破性が高いと言われていますね。たしかに、登坂能力やスタック時の脱出能力などは高いですが、それ以外の面で特別に秀でているとは言えません。

むしろ、2WD車よりも車重が増加しているために、コーナリングや制動力では劣っているといえますね。特に、コーナリングで滑ると立て直しが困難なので、細心の注意を払って曲がるようにしてください。

安定しているのは直進性能だけですから、4WDだからと言って無茶な運転は控えるようにしましょう。

雪道の種類によっても走り方が異なるので注意

坂道

上り坂は勢いをつけて、下り坂はゆっくりとが基本となります。

上り坂の場合、4WD車以外の場合だと、途中で止まってしまう可能性がありますね。FF車だと後輪に荷重がかかって駆動力を発揮できませんし、FR車だとタイヤが空転してしまうでしょう。

なので、ある程度の勢いをつけて坂道へ侵入してください。上り坂の途中でアクセルを踏むとスピンしやすいため、坂道へ入るまでに十分に加速しておく必要があります。

一方、下り坂の場合には、止まらなくなる可能性があるのでスピードを出しすぎないようにしてください。AT車ならギアを2速にし、MT車なら1~2速分ほど落として、エンジンブレーキを使いながら下るようにしましょう。

カーブ

カーブを曲がっている最中に、アクセルやブレーキの操作は禁物です。手前で十分に減速してから、ハンドル操作だけで曲がれるようにしてください。

カーブを出て車体が真っ直ぐになってから、アクセルを踏み込むようにしましょう。そうすれば、体勢を崩すことは無くなります。

交差点

交差点で停止するときには、停止線よりも車半分くらい手前で止まるようにしてください。他のクルマが曲がり切れずに突っ込んでくることがあるので、空間に余裕を開けておくことで二次被害を防ぐことができます。

また、青信号になって発進するときには、一呼吸おいてから進むようにしてください。止まり切れなかった車が交差点に進入する恐れがあるので、見切り発車はしない方が良いです。

そして、交差点を曲がる際には、十分に減速してからハンドル操作だけで曲がるようにしてください。これは、先述のカーブの曲がり方と同じ要領ですね。

交差点は交通量が多いですから、車線をはみ出すと対向車と衝突するかもしれません。左右の確認をしっかりと行って、細心の注意を払うようにしましょう。

トンネル

トンネルでは、出入り口付近での事故が最も多いです。トンネルの入口では、解けた雪が再び凍結してアイスバーン状態になっていることがあります。勢いよくトンネルに侵入すると、滑ってしまうかもしれません。

また、トンネル内では雪がありませんから、ついスピードを出してしまいがちです。そのままの状態でトンネルを出ると、オーバースピードで雪道へ入ることになります。ものすごく危険ですから、出口付近では原則を忘れないでください。

橋の上

橋の上では、水蒸気が発生し冷たい風が吹き荒れているために、路面の凍結が起きやすいです。一般道路が凍っていなくても、橋の上だけが凍結していることも少なくありません。

雪が積もっていない日でも、夜間や早朝に凍りやすくなるので注意しましょう。十分に減速を行って、徐行しながら通過するようにしてください。

雪の日の駐車で気を付けるべきこと

ワイパーを立てる

雪の日に屋外に車を止めるときには、ワイパーを立てるようにしてください。寝かせたままだと雪の重みで曲がったり、ゴムの部分が凍り付いてフロントガラスに張り付く可能性があります。

前日から雪が降ることが分かっているなら、最初からワイパーを立てておくことも大切ですね。雪が積もってからでは遅いですから、天気予報をチェックして情報を収集しておいてください。

サイドブレーキを引かない

サイドブレーキを踏んで駐車をすると、凍り付いて戻らなくなることがあります。なので、MT車の場合にはギアを1速かバックに、AT車であればPに入れて駐車をしてください。

エンジンをかけたままで駐車しない

車の中で仮眠をとるときに、エンジンをかけたままの人がいますよね。エアコンをつけないと寒いですから、エンジンを切らずに駐車するわけです。しかし、これは絶対に止めてください。

駐車中に雪が積もるとマフラーの穴がふさがれてしまい、車内に排気ガスが侵入してしまいます。すると、一酸化炭素中毒になって、死んでしまう恐れがありますね。スキー場などでは、毎年こういった事故が起きています。

なので、クルマの中で仮眠をとるときには、必ずエンジンを切るようにしましょう。

風通しの良い場所に駐車しない

風通しの良い場所に長時間駐車していると、エンジンルームに雪が入り込んで凍結してしまう恐れがあります。すると、エンジンが掛からなくなるかもしれません。

なので、フロント部分を壁側に向けて駐車するか、フロントグリルをタオルで覆うなどの対策が必要です。風が弱い日であれば、雪が入り込む可能性は少ないといえます。

スタックした時の脱出方法

雪が深い場合には、タイヤが埋まってスタックしてしまうことがあります。この時に、アクセルを強く踏むとタイヤが空転するだけなので、慌てないということが大切ですね。

AT車であれば、アクセルを離せばクリープ現象で抜け出せる場合があります。MT車では、1速だと駆動力が強すぎるので、2速発進をやってみると良いでしょう。車体をゆっくりと動かせば、抜け出せる可能性は高いです。

すぐに抜け出すことができないなら、前進と後退を繰り返しながら雪をならしていき、振り子のように反動をつけるようにしましょう。

それでもスリップする場合には、タイヤの下に布やタオルを敷いたり、同乗者や他のドライバーに後ろから押してもらったり、牽引ロープで引っ張ってもらうといった方法があります。

どうやっても脱出できないなら、レッカー車を呼んで対処してもらってください。

以上、雪道を走るときの注意点について解説をしました。雪が降ったら車に乗らないことが一番ですが、どうしても運転しなくてはいけないなら細心の注意を払うようにしましょう。

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