知らないとヤバい交通違反の基礎知識。違反点数や反則金、罰金など

クルマを運転するときに、必ず気を付けないといけないのが交通違反についてです。違反の種類によって点数や反則金などを科されますし、累積点数が増えることで免許の停止や取り消しなどの行政処分を受けることがあります。

悪質な違反をすると、刑事処分により懲役刑となるかもしれません。知らなかったでは済まされませんから、基本的な知識を持っておくようにしましょう。

反則金の金額もバカにならないので、ルールを守って安全う点を心がけるべきですね。ここでは、交通違反について解説をしていきます。

違反点数は減点ではなく加点

交通違反をすると減点されると思われがちですが、実際には加点方式となっています。違反するたびに累積点数が溜まっていきますが、無事故・無違反が1年以上続ければリセットされます

でも、累積点数が増えすぎると、免許の停止や取り消しといった処分を受けますので、注意が必要ですね。ちなみに、6点以上で免停、15点以上で取り消しになりますから、覚えておいてください。

基礎点数と付加点数

基礎点数

交通違反の種類別に設定された点数のこと。1~35点までの設定があり、違反の重大度に応じて点数も高くなります。

付加点数

交通事故を起こしたりしたときに、基礎点数に加算される点数。人身事故や物損事故などで、付加点数が追加されます。

重過失の人身事故などを起こした場合だと、裁判による刑事処分が課せられることがあります。

青切符と赤切符

青切符

1~2点の軽い違反の際に適用されるものです。その名の通り、青い紙に交通反則告知書、交通反則通告書などが綴られています。反則金を納付すれば、それ以上は何も罰則はありません。

赤切符

6点以上の重大な違反に対しては、赤切符が適用されます。飲酒運転や人身事故などを起こした際に、赤切符となります。この場合、いきなり刑事手続きとなり、交通裁判所へ出頭する必要があります。

たいていの場合、略式手続きを行って即日罰金となるケースが多いです。さらに、前科が付くことになります。

ただ、不服を申し立てる場合には、刑事裁判を受けることもできます。しかし、たとえ無罪になったとしても、違反点数を消すことは出来ません。罰金は刑事処分、点数は行政処分となっていて、管轄が違うためですね。

また、重大な事故の原因となっている飲酒運転に関しては、罰則が重くなっています。酒気帯び運転のアルコール基準が、0.25mg以上から0.15mg以上に下げられました。さらに、違反点数は13点なので、いきなり90日間の免停となります。

飲酒運転は、取り返しのつかない事故を起こしてしまう可能性があります。なので、絶対にしないようにしましょうね。

累積点数の計算方法について

累積点数は、過去3年間の違反点数の合計で計算されます。なので、6点の累積で30日の免停、9点で60日の免停、12点で90日の免停、15点以上で免許の取り消しとなってしまうわけです。

ただ、いくつかの例外もあるので、覚えておくようにしましょう。

過去2年間で無事故無違反の場合

2年以上も無事故無違反を継続している人は、優良ドライバーとみなされます。そのため、軽微な違反に関しては優遇制度が受けられるようになっています。

具体的には、3点以下の軽い違反をしたとしても、その後3か月の間に違反をしなければ0点として扱われるわけです。ただ、違反の実績は残っているので、また2年間の無事故無違反をしないと優遇措置が受けられません。

免停や取り消しなどの行政処分を受けた場合

たとえば、6点の累積点数が溜まって30日の免停処分となると、停止期間が終了すると累積は0点にリセットされますただ、「前歴」という記録が残るので、前歴回数が増えるごとに処分が厳しくなってしまいます。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
0回 30日 60日 90日 取消
1回 30日 60日 90日 取消
2回 90日 120日 150日 取消
3回 120日 150日 取消
4回~ 150日 180日 取消

上の表は、横軸を累積点数、縦軸を前歴回数を示しています。

前歴が1回あると、4点の累積で60日の免停となってしまうわけです。さらに、2回の前歴があると、2点の累積だけで90日の免停です。これだと、駐車違反を1回するだけで免停になるので、かなり重い処分になることが分かるでしょう。

1年間連続で無事故無違反を継続していた場合

最後に違反をしてから1年間、無事故無違反を継続すると累積や前歴は0にリセットされます。

1年間というのは、違反をした当日から1年後の同日までです。免停の場合は、停止期間が終わった日から、1年後の同日までとなります。

交通違反の点数一覧

酒酔い運転 35
無免許運転 25
酒気帯び運転 0.25以上 25
0.25未満 13
放置駐車違反 駐停車禁止場所等 3
駐車禁止場所等 2
信号無視 2
通行禁止違反 2
指定場所一時不停止等 2
追い越し違反 2
携帯電話使用等(保持) 1
無灯火 1
緊急車妨害等 1
座席ベルト装着義務違反 1

上の表は、違反行為の点数の一部を示したものです。実際には、これよりも多くの種類が決められていて、すべてを覚えるのは無理だと思います。なので、大まかな内容だけを知っておくと良いでしょう。

すべての違反点数を知りたい人は、警視庁のページにて公開されているので参照してみてください。

反則金と罰金について

交通違反によって支払うお金には、いくつかの種類があります。具体的には、「反則金」「罰金」「放置違反金」の3つですね。これらの違いを理解しておかないと、混乱してしまうので覚えておいてください。

反則金

支払うことによって、裁判による刑事手続きを免れることができる。納付をしないならば、刑事手続きへと進むことになります。

納付したお金は、地方自治体へ「交通安全対策特別交付金」として交付されます。道路の信号機や標識、ガードレールなどの設置費用として使われるわけです。

罰金

刑事手続きへと進んだ結果、有罪となったときに支払うもの。納付は強制なので支払わないと、労役場にて強制労働をさせられてしまいます。

全国で集められた罰金は、国庫に入り国の一般会計の歳入となります。国の財源として、色々な用途に使用されるわけですね。

放置違反金

駐車違反で取り締まられたときに、運転者が出頭しなかったときに車の使用者(所有者)に科せられるペナルティ。納付しなければ、車検拒否や差し押さえなどが実行されます。

放置違反金は、取り締まった都道府県の収入となります。なので、財源不足に悩む地方においては、駐車違反の取り締まりに力を入れている場合が多いです。そのため、地方での路上駐車には気を付けなくてはいけません。

反則金の支払い方法

軽微な交通違反の場合には、青切符を切られることになります。その際に、反則金を支払えば、刑事手続きをすることなく処分は終わるわけですね。

この反則金の支払い方法には、2つの種類があるので知っておいてください。

仮納付

青切符と一緒に交付された納付書で、反則金を納付すること。仮納付をすることで、出頭する必要はなくなります。納付期限は、違反日を含めて8日までです。

本納付

仮納付をしなければ、「交通反則通告センター」に出頭することになります。その時に、交通違反通告書と反則金の納付書が交付されます。

通告を受けてから反則金を納付することを、「本納付」というわけです。納付期限は、通告の翌日から10日以内。納付をしなければ、刑事手続きへと進むことになります。

出頭するのは面倒ですから、ほとんどの人は仮納付で済ませるはずです。取り締まりに不服がある場合には、刑事手続きによって潔白を証明する方法もありますね。

ただ、時間と手間がかかってしまうので、あまり良い方法とは言えません。

処分について

違反点数が一定以上になると、何らかの処分を受けることになります。その処分には、「刑事処分」と「行政処分」の2つがあります。

行政処分

裁判をしなくても、警察官の判断だけで行われる処分。反則金や免許の停止、取り消しなどが科せられる。

刑事処分

検察官により起訴された後、裁判官による有罪判決をを受けて科される処分。特に重大な違反をしたり、交通事故を起こしたときに、罰金や懲役刑が科せられます。

以下の表は、スピード違反のペナルティーの一覧です。

速度超過 違反点数 反則金・罰金
50km以上 12 6月以下の懲役又は10万円以下の罰金
30km以上50km未満 6 6月以下の懲役又は10万円以下の罰金
25km以上30km未満 3 18,000円
20km以上25km未満 2 15,000円
20km未満 1 12,000円
最低速度違反 1 6,000円

たとえば、20kmの速度超過で取り締まりを受けた場合には、「違反点数2点」と「15,000円の反則金」という行政処分だけで済みます。

一方、30kmの速度超過だった場合は、「違反点数6点」と「免許停止30日」の行政処分、さらに「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」の刑事処分も受けることになるわけです。

危険性が高い違反を犯すと、裁判になってしまうということですね。

自分の違反点数を知るには?

何度も違反をしていると、自分の累積点数が分からなくなることがあります。特に、タクシーやトラックの仕事をしている人は、免停になってしまうと死活問題です。なので、累積点数を把握しておく必要があるでしょう。

自分の違反点数を調べるためには、「自動車安全運転センター」において「運転記録証明書」を発行してもらう必要があります。

申請方法としては、警察や交番で申請書をもらって、最寄りの郵便局から申し込みを行いましょう。もしくは、全国の自動車安全運転センターの受付で申し込みすることもできます。

700円の手数料が掛かってしまうので、注意してください。

講習の呼び出しが来たらどうする?

ある程度の累積点数が溜まってしまうと、自宅に「講習の呼び出し状」が届くかもしれません。出席は任意ですが、行くメリットのある講習もあります。なので、それぞれの内容を知っておくようにしましょう。

停止処分者講習

運転免許の免停処分を受けた人が対象の講習。この講習を受けてテストに合格すれば、免許の停止期間を大幅に短縮してもらうことができます。何と最大で30日⇒1日、60日⇒30日、90日⇒45日の短縮を受けられるわけです。

有料の講習となっていて、13,200~26,400円と高額に設定されています。受講は強制ではありませんが、期間を短縮したい人は受けると良いでしょう。

違反者講習

1~3点の累積が重なって、6点になった人が対象の講習。累積が6点になると30日の免停となってしまいますが、この講習を受けることで処分を受けなくて済みます。前歴も付きませんから、かなりメリットが高いといえるでしょう。

交通安全の広報活動などの「交通安全活動体験講習」が10,250円で、運転シュミレータの操作などの「安全運転講習」が14,250円となっています。

初心運転者講習

免許を取得して1年以内に、累積3点以上になった人が対象の講習。これを受けないと再試験の対象となり、再試験に落ちると免許の取り消しとなってしまいます。

講習場所は指定自動車教習所で、普通免許だと7時間で14,700円の料金となっています。再試験にならないために、対象者は必ず受けたほうが良いでしょう。

免停90日や免許取り消し処分の際には「意見の聴衆」がある

90日以上の免許停止や取り消し処分を受けると、「意見の聴衆」という通知がきます。これは何かというと、処分を軽くするようにお願いすることで、情状酌量の余地が認められる機会のことです。

たとえば、「免許が取り消しになると、仕事ができなくなる。妻も病気がちで仕事が無い状態なので、家族を養うために処分を軽減できないだろうか」といった意見を述べることができるわけですね。

絶対ではありませんが、自分の意見が認められることで処分を軽くしてもうことができます。90日の免停が60日になったり、免許の取り消しが90日の免停になるかもしれません。

何も言わない人が多いようですが、ダメ元でお願いしてみると良いでしょう。

以上、交通違反の基礎知識について解説をしました。安全運転を心がけることが大切ですが、万が一の違反の時に役に立つと思います。なので、しっかりと覚えておくようにしてください。

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