なぜ、国産ターボ車の人気が急上昇しているのか?

turbochargerかつて、日産がセドリック・グロリアに搭載して、大ヒットしたターボチャージャー。ハイパワーの出力を得られるといううことで、若者を中心として人気を集めました。しかし、その後はファミリカーやエコカーに人気を奪われて、低迷していました。

でも、最近では、またターボ車の人気が復活しているようです。ニュースでも、大きく報じられています。

「燃費が悪くなる」と敬遠されていた「ターボチャージャー搭載車(ターボ車)」が「復権」している。欧州の自動車メーカーが、エンジンを小型化し、不足した馬力をターボ技術で補う「ダウンサイジング」という手法で燃費改善に成功したからだ。
(毎日新聞 2014/06/15)

「ターボ車で燃費改善?」と思うかもしれませんが、仕組みとしては簡単です。エンジンの排気量を小さくしてターボチャージャーを搭載することで、ワンランク上のエンジンと同等のパワーを発揮できるようにしているわけです。

でも、排気量は小さいので、燃費が下がるということですね。実際、1400ccのターボエンジンは、2000ccと同等のパワーですが燃費性能は2割ほど良いようです。

かつてはデメリットの多かったターボ車ですが、今では技術が改良されてノッキング(異常燃焼)なども無くなりました。2005年以降からフォルクスワーゲンが積極的に開発に乗り出して、欧州市場ではダウンサイジングした車種が爆発的にヒットしています。

こういった状況を受けて、日本でもターボを搭載した車種がどんどん投入されています。

日産 スカイライン
ホンダ シビックタイプR、N-BOX、N-ONE
スバル レヴォーグ、レガシィ、フォレスター、エクシーガ
マツダ アクセラ、アテンザ、CX-5

上記の車種が代表的ですね。トヨタなどはハイブリッドが主力なので、ダウンサイジングターボには消極的なようです。

しかし、低燃費のハイブリッドは価格が高いですから、今後のエコカーとしてはターボエンジンが主力になっていくと言われています。ガソリン代も上昇しているので、消費者としては燃費性能が上がるのは嬉しいことですね。

そもそも、ターボチャージャーの仕組みって?

ターボチャージャーとは、簡単に言うと排気ガスを再利用する仕組みのことです。エンジンから排気されたガスを使ってタービンを回し、それによって圧縮した空気をエンジンに送って燃焼効率を高めます。

なので、エンジンの排気量以上のパワーを出すことができるメリットがあります。また、排気ガスを再利用することで、有害物質を減らせるという利点もあります。なので、小さいエンジンでも、十分なパワーを得ることができるわけです。

しかし、デメリットもあります。それは、エンジンの回転率が高くなるので、オイルの劣化が早いということです。だから、こまめにオイル交換を行ったり、メンテナンスが必要になりますね。

また、パワーを得るまでに時間が掛かる「ターボラグ」と呼ばれる現象もあります。アクセルを踏み込んでも、すぐにタービンの回転数は上がりません。なので、加速するためにタイムラグが生じることがあります。ただ、技術の向上によって、ターボラグの時間はかなり少なくなっています。

ターボ車とハイブリッド車の価格差について

ターボ車が低燃費ということは分かりましたが、ハイブリッドと比べてどれだけの価格差があるでしょうか?当サイトで比較してみました。

車両価格 燃費
クラウンロイヤルHV 4,824,000円 23.2km/L
スカイライン200GT-t 3,834,000円 13.6km/L

ハイブリッドのクラウンロイヤルと、ターボ車のスカイラインの比較です。燃費性能だと、ハイブリッドの方が優れていることが分かります。しかし、車体の価格差が約100万円もありますよね。ハイブリッドだと燃費が優れている代わりに、価格が高すぎるという欠点があります。

でも、ターボ車だと比較的リーズナブルですから、車体価格と燃費のバランスが良いです。また、排気量も小さくなるので、税金などの維持費も安くなるというメリットがあるわけです。

以上のような理由から、ダウンサイジングターボ車が人気なんですね。経済性を考えるのであれば、ターボ車を選択するのは賢いと言えるかもしれません。

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