臨時運転者特約が廃止されてしまった理由とは?
ツイート現在の自動車保険は、年齢や等級が高くなるほど保険料が安くなる仕組みとなっています。なので、年齢条件を設定して、保険料を節約するのは一般的な方法ですよね。たとえば、30歳以上に設定すると、保険料は60%以上も安くなります。
しかし、年下の後輩や友達とドライブへ行った時などに、運転を代わってもらうことがあるでしょう。もしも、年齢条件を設定していると、補償の対象外となってしまうことがあります。
こういった時の対処法として、「臨時運転者特約」というものがありました。これは、年齢条件の対象外となる人が運転しているときでも、事故の補償をしてくれるという特約です。
現在は廃止されてしまいましたが、その理由も含めて解説をしていきます。
臨時運転者特約の概要
臨時運転者特約とは、設定した年齢条件よりも年下の人が運転をしても、関係なく補償してもらうことができるというものです。ただし、運転者が「臨時運転者」に該当する必要があります。
臨時運転者とは、以下に該当しない人たちのことです。
- 記名被保険者
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者や配偶者と同居の親族
- 別居している未婚の子供
- 上記の人に雇われている従業員
- 修理工場やディーラーなどの車業者の人
なので、友達や知り合いなどは、臨時運転者に該当することになります。すでに結婚して独立した子供に関しても、臨時運転者となるわけです。
臨時運転者に該当しない人で年齢条件に満たない場合は、一切の補償がお紺われません。たとえば、30歳以上に設定していて、18歳の子供が運転したような場合ですね。
子供が免許を取ったら年齢制限を全年齢にしておかないと、補償の対象外となるので注意しましょう。
この特約がおすすめな人
- 仕事に自家用車を使っていて、部下や後輩にも運転させる人
- 年齢を問わず友達が多く、レジャー時などに運転を代わってもらう人
- 結婚して独立している子供が、帰省時に運転することがある人
いつも決まった人が運転するなら必要ありませんが、それ以外の人が運転する可能性があるのなら必要な特約です。年齢条件を全年齢にする方法もありますが、それだと保険料が上がりすぎてしまいます。
節約しながら保険料を節約するためには、最適な特約だといえるでしょう。
臨時運転者特約を付帯できないケース
保険料の節約のために、運転者を限定している人は多いはずです。最大で同居の親族までは、補償の範囲に含めることができます。しかし、これで保険料は安くなるのですが、臨時運転者特約を付帯できなくなってしまいます。
つまり、友達や知人などは補償されないということです。だから、他の人も乗る可能性があるのなら、運転者の限定は解除しておいてください。
臨時運転者特約が廃止されてしまった理由
非常に人気のあった特約ですが、現在ではすべての損保会社で廃止されているようです。その理由としては、「年齢条件の範囲の拡大」が挙げられますね。
以前までは、年齢条件は契約自動車を運転するすべての人に適用されていました。しかし、「家族以外の人には年齢条件を適用しない」という風に変更されたわけです。
たとえば、30歳以上に設定していた場合、25歳の友達が運転しても補償の対象になるということです。つまり、臨時運転者特約の内容が最初から年齢条件に含まれる形となったので、特約が存在する理由が無くなったんですね。
年齢条件を設定していても臨時運転者は補償されますので、安心して運転を代わってもらってください。ただし、先述の通り、運転者を本人や家族に限定していると、他人は補償されないので注意してください。