自動車保険を個人から法人に変更する方法とは?等級の引継ぎも可能です。
ツイート個人事業主として働いている人は、利益が上がってくると法人成りを検討することがあるでしょう。その時に、個人名義の自動車保険を法人名義に変更したいと思うかもしれません。
個人名義であっても、保険料を会社の経費で落とすことは可能です。ただし、新規で契約し直すと6等級からなので、等級が上がっているなら個人名義から法人名義に移した方が保険料は安くなります。
条件を満たすことで、名義変更後でも等級を引き継ぐことができるので、覚えておくようにしてください。
名義の変更後も等級を引き継ぐための条件
個人名義から法人名義にするとき
個人名義の自動車保険を法人名義に変更するには、次の条件を満たす必要があります。
- 今まで個人事業主として事業を行っていたこと
- 法人設立時点で自動車保険に加入していること
- 法人成りした後も同じ事業を行っていること
この3つの条件をすべて満たしていれば、法人名義に変更することができるわけです。
法人成りした後に事業内容がガラリと変わってしまうと、等級の引継ぎは行われません。保険会社からすれば、事業内容が変わると事故のリスクも変動するので、今までと同じ条件を適用することはできないということですね。
また、通販型の自動車保険では、法人の契約を受け付けていないことがあります。そういった際には、代理店型に切り替えるようにしてください。
さらに、法人登記から1年以内しか受け付けない保険会社もあるので、事前に確認をしましょう。
法人名義から個人名義にするとき
逆に、法人名義の保険を個人名義にしたい時もあるでしょう。その際には、以下の条件を満たさなくてはいけません。
- 法人を解散すること
- 法人を解散後も同じ事業をしていること
つまり、法人から個人事業主になって、同じ事業を行わなくてはいけないわけですね。法人を解散して仕事をしないのであれば、自動車保険を解約して新規で加入し直す必要があります。
こちらも、車の使用条件が大きく変わってしまう場合、これまでの等級の適用は難しいということです。
ただ、法人を解散するときは、事業が破綻していることがほとんどです。なので、解散後も個人事業主として、同じ事業を行う人は少ないかもしれません。そのため、法人から個人名義への変更は、現実的ではないといえますね。
法人名義にした後は保険の内容が変わる可能性がある
自動車保険では、個人用と法人用とで内容が微妙に異なっています。個人名義の時と同じだと思っていると、事故を起こしたときに補償が受けられないケースが出てくるかもしれません。
ですから、個人契約と法人契約との違いを知っておきましょう。
運転者の限定
個人契約の自動車保険では、運転者を限定すれば保険料の割引を受けられますよね。本人限定から家族限定まで、適用範囲によって保険料が割り引かれるわけです。
しかし、法人契約においては、運転者を限定することはできません。法人だと経営者や社員など、不特定多数が運転する可能性があるからです。
そのため、社長しか運転しない車や家族経営で家族しか運転しない場合には、個人契約の方が保険料が安くなる場合があります。
一方、年齢条件に関しては、法人契約でも設定することができます。社員の年齢層が高いほど、割引を受けることができますね。ただ、新卒などの若い社員が入ってきた場合は、年齢条件を引き下げなくてはいけません。
人身傷害補償保険は搭乗中のみ補償
人身傷害補償保険は、「搭乗中のみ補償」と「搭乗中以外も補償」の2つのタイプがある保険ですね。搭乗中以外も補償にすれば、歩行中や自転車事故などでも補償を受けることができます。
しかし、法人契約においては、「搭乗中のみ補償」しか選択することができません。勤務中の怪我などは労災保険がありますし、搭乗中以外の補償を付ける意味がないからですね。
ファミリーバイク特約がない
配達などでバイクを使用する会社もありますが、法人契約ではファミリーバイク特約が用意されていません。別途で、バイク保険に加入する必要があるので、覚えておくようにしてください。
ロードサービスが無い場合がある
保険会社によっては、法人契約でロードサービスが付帯しないことがあります。法人車両は走行距離が多いですし、トラブルのリスクが高いので採算が合わない可能性があるからですね。
なので、別途でJAFなどに加入しておく必要があります。JAFの法人会員であれば、1台に付き2,000円で加入することができます。全国に対応していますから、検討してみると良いでしょう。
以上、自動車保険を個人から法人名義に変更するときの注意点を紹介しました。事業に車を使用するのであれば、自動車保険への加入は必須です。条件を満たせば等級の引継ぎも可能なので、覚えておいてください。