リスク細分型自動車保険とは?ドライバーの危険度によって保険料が決まる
ツイート「保険の自由化」で解説したように、1996年12月の日米保険協議により算定会料率の使用義務が廃止されました。それによって、ドライバーの危険度によって保険料が変動する、「リスク細分型自動車保険」が登場することになります。
今では、ほとんどの保険会社が、リスク細分型で保険料を決定していますね。安全運転をして優良ドライバーだと認定されれば、保険料を格安にすることができるので非常にメリットが高いです。
自動車保険をお得にするために、リスク細分型について知っておきましょう。
リスク細分型自動車保険の概要
先述の通り、リスク細分型とは、ドライバーの危険度に応じて保険料が変動するシステムのことです。
簡単に言ってしまうと、事故を起こす可能性が低い優良ドライバーの保険料を安く、事故の可能性が高い危険ドライバーの保険料を高くするということですね。
実は、保険の自由化以前にも、リスクに応じて保険料の変動はありました。しかし、リスク細分型は、それよりも細かい区分を用意して、さらに厳密に保険料が決定するようになっています。
保険会社によってリスクの区分が異なりますが、基本的には以下の9つとなりますね。
年齢 | 10代・20代はスピードを出しやすいので、リスクが高いと判断されます。30代以降は年齢が上がるほど、保険料が安くなっていきます。 |
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運転者 | 運転者が限定されると、リスクが低くなります。 |
性別 | 交通事故の統計上、男性よりも女性の方が事故のリスクが低いと言われています。 |
運転歴 | 免許を取ってから日が浅いと、リスクが高いと考えられますね。 |
使用目的 | 「営業用」「通勤用」「日常・レジャー用」の3つの区分が用意されています。車に乗る時間が長いほどリスクが高いので、「営業用」が最も危険だと判断されますね。次に、「通勤用」「レジャー用」の順でリスクが高いと判断されます。 |
年間走行距離 | 年間の走行距離が少ないほど、リスクが低いとされています。 |
地域 | 交通事故が多い地域ほど、リスクが高いと判断されます。平成27年の統計だと、「愛知県」「大阪府」「千葉県」の順で事故が多くなっていますね。 |
車の種別 | 高級車や人気車ほど、盗難やイタズラのリスクが高くなります。 |
車の安全装置の有無 | エアバッグやABS、イモビライザーなど、安全装置が搭載されている車ほどリスクが低くなります。 |
以上のような区分の組み合わせによって、総合的にドライバーの危険度が判断されます。事故リスクの低い優良ドライバーだとみなされると、保険料が半額以下になることもありますよ。
誰でも保険料が安くなるわけではない
リスク細分型の自動車保険では、リスク要因が少ない人ほど保険料が安くなります。テレビコマーシャルなどでも、安い保険料を前面に打ち出した広告をしている会社が多いです。
しかし、誰でも保険料が安くなるわけではありません。
リスク要因が高いと判断されると、保険料が割増料金となってしまうわけです。特に、事故を繰り返して1等級まで下がってしまうと、最大で60%の割増料金となってしまいます。
等級制度は、1〜20までのランク方式となっています。20等級が最高ランクで、割引率は最大の60%です。一方、1等級が最低ランクとなっており、60%の割増料金となってしまいます。
引用:自動車保険の等級について
割増料金になるだけなら良いのですが、危険度が高すぎると次回の更新ができない場合もあるようです。事故歴などの情報は保険会社間で共有されているため、他の会社に乗り換えることもできません。
だから、普段から安全運転を心がけて、優良ドライバーだと認定されるように努力する必要があるでしょう。
保険料が安くなる人・高くなる人
保険料が決まるリスク要因の話をしましたが、実際にシミュレーションをしてみましょう。保険料が安くなる人と高くなる人の違いを知っていれば、今後の参考になるはずです。
まず、保険料が安くなる人を見ていきましょう。
- 30代以上である
- ゴールド免許を持っている
- 自分しか運転しない
- 年間の走行距離が5,000km以下
- 車に安全装備が付いている
- 事故を起こしたことがない
こういった人であれば、間違いなく優良ドライバーとしてみなされるはずです。乱暴な運転はしなさそうですし、事故を起こすリスクも少ないでしょう。
一方、以下の例だと保険料が高くなる可能性があります。
- 20代である
- 通学に車を使用している
- 年間の走行距離が10,000km以上
- 過去に事故歴がある
年齢が若くて車に乗る機会が多い人は、事故のリスクも高くやりやすいです。なので、保険料も高額になってしまいますね。
安い自動車保険を見つけるには?
リスク細分型の自動車保険だと、保険会社によって料率が異なっています。なので、同じ条件であっても、会社が変わると保険料に差が出てくるわけです。
そのため、安い自動車保険を見つけるためには、複数の会社に見積もりを出すのがベストだと言えるでしょう。
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以上、リスク細分型について解説をしました。安全運転を心がけて無事故を継続すれば、リスク要因は少なくなっていきます。だから、日頃から運転には気を付けるようにしましょう。