保険会社を変更しても等級を引き継ぐ方法とは?
ツイート保険料を少しでも節約するために、保険会社の変更を考えている人は多いでしょう。最近だと、通販型の自動車保険が人気ですから、実際に切り替える人も増えてきています。
しかし、今の保険会社で等級が上がっているのなら、それがリセットされてしまうと困りますよね。最高の20等級になるには最低でも14年も掛かりますから、それを最初からやり直すのは気が引けるでしょう。
でも、安心してください。保険会社が変わっても、今までの等級を引き継ぐことはできます。ここでは、その方法を紹介していきますね。
満期日をもって保険会社を変更する
自動車保険は1年契約なので、満期になると自動的に契約が終了となります。なので、その際に契約を更新するか、他の保険会社に変更するかを選べるわけですね。
満期日を持って他の保険会社と契約すれば、そのまま等級も一緒に引き継ぐことができます。
新しい保険の申し込みをするときに、現在の保険の等級なども記載するはずです。すると、保険が開始するときには、「今の等級+1」から始めることができますよ。
ただし、「満期日の翌日から起算して7日以内」に、手続きを終わらせなくてはいけません。これを過ぎてしまうと、また6等級からやり直しとなるので注意してください。
旧保険の満期日と新保険の始期日は、同一日にすることが望ましいです。そうしないと、保険の空白期間ができてしまうので、その間に事故をすると補償されないという事態となってしまいます。
また、等級が引き継げるのは、民間損保、JA共済、全労済、農協などに限られます。中小の共済組合などでは、引継ぎができないことが多いです。なので、事前に確認をしなくてはいけません。
マイナス情報も引き継がれる
等級の引継ぎに関しては、「事故有係数」も同様です。事故を起こして保険を使うと割高の保険料となりますが、その記録も一緒に引き継がれてしまいます。事故有係数の適用期間も消えませんから、注意してください。
事故歴を隠して保険の契約をしても、絶対にばれてしまうので止めましょう。等級情報は保険会社間で共有されるので、隠し通すことは不可能です。最初は事故歴なしで契約できても、数か月後には訂正されて追加料金を請求されます。
保険料が高くて払えない場合は、対人・対物賠償などの最低限の補償のみにして、保険料を安くする方法がありますね。補償内容が薄くなってリスクがありますが、事故有係数が解除されたら元の補償に戻すと良いでしょう。
車を買い替える時の注意点
新しい車に買い替えた時に、保険も新しくしたいことがあると思います。そういった時には、「車両入替」という手続きが必要です。車両入替には条件がありますから、知っておくようにしてください。
まず、入れ替え後の所有者が、以下のいずれかである必要があります。
- 入れ替え前の車両所有者と同一
- 記名被保険者と同一
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者の同居親族
- 記名被保険者の配偶者の同居親族
そして、入れ替える車は、以下のいずれかでなくてはいけません。
- 新しく取得した車である
- 前の車を処分して、すでに所有している車に入れ替える
要するに、車を複数台所有していて、1つの自動車保険で入れ替えを繰り返すことができないようになっているわけです。
等級は別の人にも引き継げる
実は、自分以外の人へ等級を引き継ぐことも可能です。今後、車に乗る機会がないのなら、等級を譲渡しても良いでしょう。
引継ぎができるのは、以下のような条件があります。
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者の同居の親族
- 記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
等級の引継ぎは、同居している親族に限られます。注意したいのは、別居している子供は不可だということです。これは間違えやすいですから、気を付けるようにしてください。
中途解約して保険会社を変更する
今の保険の満期を待たずに、新しい保険に切り替えたいこともあるでしょう。そういった場合でも、等級の引継ぎは可能です。ただ、少し損をするかもしれないので注意してください。
たとえば、以下のような状況があったとします。
現在の保険契約始期日:2月1日
他社に乗り換え日:7月1日
このケースだと、翌年の7月1日に満期となり、等級が1つ上がることになります。保険を切り替えなければ、翌年の2月1日に等級が1つ上がるはずです。
このように、等級が進むスピードが遅れてしまうので、それだけ損をすることになるわけですね。なので、中途解約での切り替えはおススメしません。
保険期間通算特則を使う手もある
保険会社によっては、「保険期間通算特則」という制度を設けている場合があります。保険期間通算特則とは、中途解約での乗り換えであっても、等級が通常通りアップするようにする制度のことです。
先ほどの例で説明します。
現在の保険契約始期日:2月1日
他社に乗り換え日:7月1日
この場合だと、途中で他社に切り替えても、翌年の2月1日で等級アップしてもらえます。つまり、保険を切り替えなかったと同じように処理してもらえるわけです。
保険期間通算特則を用意しているのは、「東京海上日動」や「損保ジャパン日本興亜」などがあります。他の会社では公式に発表していませんが、問い合わせれば対応してもらえることがあるようです。
しばらく車に乗らないときは等級を保存できる
長期間の入院や海外転勤などで、しばらく車に乗らなくなることがあるかもしれません。そんな時に、自動車保険を解約してしまうと、等級もリセットされてしまいます。
数年後に再び車に乗る予定があるのなら、等級を保存しておくことをおススメします。自動車保険には「中断特則」という制度があり、最大で10年間は今の等級を保存することができます。
たとえば、現在15等級だとしたら、保険を一旦停止して5年後に15等級から始めることもできるわけです。
手続きとしては、「中断証明書」を発行してもらうだけとなります。ただし、保険を解約した日から13カ月以内に手続きを完了する必要があります。また、満期日までに車を手放しておかなくてはいけません。
以上、等級の引継ぎについて紹介しました。自動車保険において、等級をアップさせることは非常に大切です。なので、せっかくの等級を失わないために、引継ぎを活用できるようにしてください。