対物賠償保険とは何か?他人の財物を破損した時のための保険
ツイート対物賠償保険とは、交通事故によって他人の財物を破損した時の補償をするための保険となります。たとえば、車同士の事故で相手の車が壊れたり、信号やガードレールに衝突したり、他人の家の塀に穴が開いたりしたときです。
こういった物損が起きた時に、その修理費用として保険金が支払われるわけですね。
また、コンビニなどに突っ込んでしまった時には、店舗の修理費用や使えなくなった商品などの賠償だけでなく、営業不能になった期間の損失までも補償することができます。
店舗などへの賠償となると高額になりやすいですから、対物賠償保険に入っておくと安心でしょう。
対物賠償保険の適用範囲について
他人の財物を壊した時の補償をする保険ですが、どこまでが「他人」となるのかを知っておくようにしてください。そうしなければ、いざという時に補償が受けられなくて、困ってしまうことになります。
■対人賠償保険の対象外となる人
- 被保険者(保険の申し込みをした人)
- 被保険者の家族(父母、配偶者、子供)
- 運転者とその家族(被保険自動車を運転していた人と家族)
- 被保険者の使用者(被保険者を雇用している人)
上記に当てはまる人が所有している財物は、対物賠償保険では補償されません。
この辺の定義は対人賠償保険と同じですから、一緒に覚えておくと良いでしょう。
デパートで車庫入れするときに、隣の車にぶつけてしまったら
近所のデパートへ車で行って、駐車場で他の車にぶつけたとします。こういった時には、相手の車の修理費を対物賠償保険で補償することが可能です。
全く知らない人の車ですから、対物賠償保険の対象となるわけですね。ただし、自分の車の修理費は補償されませんので、自腹で修理しないといけません。
道路脇の縁石にぶつけてバンパーが破損したら
道路を自家用車で走っていて、左折時などにバンパーをこすることがあるでしょう。このような自損事故で車を破損した場合には、対物賠償保険で補償されません。
自分の車ですから、対象外となってしまうわけですね。自家用車の修理費を補償してもらうのであれば、車両保険に入っておく必要があります。
なので、基本的に自損事故での補償は無いと思っておきましょう。
家の前で親の車にぶつけてしまったら
車で実家に帰った時に、家の前に止まっていた親の車に衝突したという状況です。この場合は、被保険者の家族の車なので対物賠償保険では補償されないことになります。
そしてもちろん、自分の車の修理費も補償はされません。基本的に自分の家族と事故を起こしてしまうと、何の補償もおりないので注意しないといけないですね。
過失割合によって補償額は変化する
対物賠償保険で補償される金額は、本人の過失割合によって決まります。対人賠償保険と同じように、自分に非がある分だけ補償されるということですね。
たとえば、車同士の事故でAの車の過失が60%、Bの車の過失が40%だったとします。そして、Aの車の修理費が100万円だったとしたら、Bの過失は40%なので40万円の保険金が支払われるという仕組みです。
一方、Bの車の修理費が70万円だったら、Aの過失の60%分である42万円の補償となります。
対物賠償保険においては、大きな賠償になることが少ないので上限を設定している人が多いです。補償額を500万円や1,000万円程度にしていたりしますね。
しかし、これだと上限を超える賠償責任が生じた場合、足りない分を自腹で支払わなくてはいけません。
実際、億を超えるような対物賠償となった事例も多いです。
- 2億6,135万円 積荷(呉服、洋服、毛皮) 平成6年
- 1億3,580万円 店舗(パチンコ店) 平成8年
- 1億2,037万円 電車、線路、家屋 昭和55年
店舗に突っ込んだり、踏切内で立ち往生して電車に衝突したりすると、莫大な損害賠償を請求されてしまいます。
また、我々の身近にあるものでも、意外と高額なものが多いです。
ガードレール 3万円(2m) 電柱 3〜数百万円 交通標識 10〜100万円 電光掲示板 1,000万円以上 信号機 120万円以上
引用:オリコン
小さな事故であっても大きな賠償になることがあるので、対物賠償保険も無制限に設定しておくことをおススメしますね。
特に、自賠責保険には対物賠償が付いていないので、任意保険による対物賠償保険は重要な意味を持つわけです。
どんな事故を起こすか分かりませんから、「対人賠償保険」と「対物賠償保険」には必ず加入しておくようにしましょう。