自賠責保険における後遺障害の損害賠償額の算定方法とは?
ツイート交通事故により怪我をすると、大抵の場合は何らかの後遺症が残ってしまいます。車が絡むと大きな事故になりやすいので、軽い怪我では済まない場合が多いわけですね。
そして、身体的な障害が残ったときに、損害賠償を請求することができます。後遺障害認定等級や年齢によって、算出される賠償額も変わってきますね。この賠償額を「後遺障害による逸失利益」と呼びます。
ここでは、自賠責保険基準での「後遺障害による逸失利益」の計算を紹介していくので参考にしてください。
後遺障害の損害賠償について
後遺障害が残ったときの損害賠償は、「逸失利益」と「慰謝料」の合計額となります。それぞれに基準が決まっているので、後遺障害の認定等級によって変わってくるわけですね。
逸失利益の計算方法は、以下の式を使います。
基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
基礎収入とは、事故前の年収となりますね。それに「労働能力喪失率」という後遺症害等級に応じた係数と、「ライプニッツ係数」という賠償金を前倒しで受け取ることによる利益控除を示す係数(5%)を掛け合わせて計算されます。
労働能力喪失率とその慰謝料
等級 | 支払限度額 | 慰謝料 | 労働能力喪失率 |
---|---|---|---|
介護1級 | 4,000万円 | 1,600万円 | 100% |
介護2級 | 3,000万円 | 1,163万円 | 100% |
第1級 | 3,000万円 | 1,100万円 | 100% |
第2級 | 2,590万円 | 958万円 | 100% |
第3級 | 2,219万円 | 829万円 | 100% |
第4級 | 1,889万円 | 712万円 | 92% |
第5級 | 1,574万円 | 599万円 | 79% |
第6級 | 1,296万円 | 498万円 | 67% |
第7級 | 1,051万円 | 409万円 | 56% |
第8級 | 819万円 | 324万円 | 45% |
第9級 | 616万円 | 245万円 | 35% |
第10級 | 461万円 | 187万円 | 27% |
第11級 | 331万円 | 135万円 | 20% |
第12級 | 224万円 | 93万円 | 14% |
第13級 | 139万円 | 57万円 | 9% |
第14級 | 75万円 | 32万円 | 5% |
ライプニッツ係数表
引用:国土交通省
損害賠償を計算してみよう
たとえば、以下のようなケースを想定してみます。
40歳男性
年収500万円
横断歩道を渡っているときに、信号無視の車にひかれる
事故により耳が遠くなり、後遺障害等級(第10級)と診断される
先述の計算式に当てはめると、
年収500万円×27%(労働能力喪失率)×14.463(ライプニッツ係数)
すると、1,952万5,050円となりますね。
慰謝料に関しては、後遺障害等級(第10級)で187万円となっています。これらを合計すると、2,139万5,050円となるわけです。
ただ、後遺障害等級(第10級)での自賠責保険の支払い上限は、461万円しかありません。そのため、残りの金額は相手の任意保険から支払ってもらう形となりますね。
相手が任意保険に加入していなければ、直接本人から取り立てることになるでしょう。支払い能力がなかった場合、それ以上はもらえないことになります。
こういったことを防ぐために、自分も任意保険に加入して「人身傷害保険」などに加入しておく必要があるでしょう。