交通事故を防止するには、自分の感覚を過信しないことが大切
ツイートどれだけ運転に自信を持っている人でも、交通事故を起こしてしまうことがあります。
むしろ、自信過剰な人ほど大きな事故をしやすいと言われていますね。
なぜなら、運転に不安を感じている人は注意を怠りませんが、ヘタに自信を持ってしまうと周囲の確認を疎かにしてしまうからです。
なので、交通事故をしないために、常に自分のスキルを疑うようにしてください。どれだけ運転が上手い人でも、歩行者の飛び出しや路面状況の悪化、車の異常などには勝てません。
そのため、常日頃から過剰な意識を持たないことが大切ですね。ここでは、交通事故を招く要因について解説をしていきます。
交通事故が起きる要因とは?
直接的な交通事故の原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 車やバイク、自転車や歩行者などの飛び出し
- 前の車の急ブレーキ
- 道路上の障害物
- 路面の冠水や凍結
- 雨や雪、風などの自然現象
- 車の故障やトラブル
こういった状況は、直前まで気付くことができないので、回避することが難しいという現状があります。気付いたときには避けることができずに、そのまま衝突といった状況となるわけです。
しかし、前もって危険を予測することができれば、事故が起きるのを防ぐことができるでしょう。路面の状況は見れば分かりますし、見通しの悪い交差点なら減速すれば良いわけです。
常に周囲に気を配っていれば、危機回避をすることができるはずです。
年齢を重ねると反応が鈍ってしまう
人間が行動をするときには、脳から指令を送って体を反応させます。この速度は、0.5秒前後だと言われています。
つまり、車で走行中に歩行者が飛び出して来たら、ブレーキを踏むまでに0.5秒かかるということですね。たとえば、時速60kmで走行中に0.5秒でブレーキを踏むと、約8メートルの制動距離となります。
ただ、これは一般的な若者の場合です。
人間の反射神経は、20歳くらいをピークとして年を取るたびに低下していきます。
なので、ブレーキを踏むまでの時間が0.7秒とか、1秒くらいかかってしまうわけです。仮に、ブレーキを踏むのに1秒かかったとすると、約16メートルの制動距離となります。
先ほどの2倍の距離になってしまいました。。
ですから、若い頃と同じ感覚で運転をしていると、ブレーキが間に合わずに事故を起こしてしまう可能性が高くなります。
30代くらいであっても反射神経は衰えているので、気を付けて運転をしましょう。十分な車間距離を空けてスピードを出し過ぎなければ、ブレーキが遅くても十分に止まることができます。
だから、ゆっくりと安全運転を心掛けることが大切ですね。
お酒を飲むことで判断力が落ちる
2014年の飲酒運転による事故は、全国で4,155件もありました。都道府県別に見ると、大阪、愛知、千葉の順で事故件数が多いようです。(参考:日本損害保険協会)
飲酒運転が社会問題になっている現在でも、お酒を飲んで車に乗る人が減りません。
体内にアルコールが入ると、情緒不安定となって気分が高揚します。そして、判断力や知覚能力が低下して、まともに思考することができなくなってしまうわけです。
さらに、アクセル操作も乱雑になるので、普段よりもスピードを出しやすくなってしまいます。
こんな状態で車を運転してしまったら、誰でも事故を起こしてしまうでしょう。
一般的に、血中アルコール濃度が0.05%以上になると、交通事故の確率は通常の2倍になるそうです。これは、瓶ビール1本くらいの量に相当します。中ジョッキでいうと、1杯半くらいですね。
しかし、その日の体調によっては、もっと少ない量でも酔いが回ってしまう可能性があります。
そのため、「飲んだら乗るな」という言葉があるように、少しでもお酒を飲んだなら車に乗らないようにしましょう。
知らないうちに感覚がズレることがある
何も考えずに車の運転をしていると、知らないうちにスピードが出過ぎていることがあります。特に、緩やかな下り坂だと平坦な道だと錯覚してしまって、アクセルを踏み過ぎることがあるわけですね。
他にも、交差点で右折待ちをしている時に、対向のバイクと衝突してしまうケースもあります。これは、車体の小さなバイクは遠くに感じてしまうので、距離感が掴めなくなるからです。
このような「スピード感」と「距離感」の錯覚は、走行中の至る所で起こります。
普通に運転していれば、錯覚に惑わされることはありません。
しかし、疲れが溜まっていたり、考え事をしていると、自分の感覚のズレに気付かないことがあります。そのため、日頃から十分に気を付けることが大切ですね。
自分の感覚を過信しすぎてしまうと、事故を招く結果となるでしょう。
疲労が溜まると判断ミスが起きやすい
運転中は常に気を張っておくべきなのですが、疲労が溜まっていると意識が散漫になってしまうことがあります。
たとえば、歩行者に気付かなかったり、赤信号の見落とし、前方の車の急ブレーキへの反応が遅れたりといったことになるわけですね。
あるデータによると、交通事故の約1割は疲労が関係している事故のようです。疲労が溜まったままで運転をすると、居眠りをしてしまったり、危機回避の判断が遅れてしまったりします。
特に、夜間や明け方の運転には注意が必要です。人間には「サーカディアンリズム」という大脳の周期があり、午前中から正午にかけてが最も脳の活動が活発になります。そして、午後からは脳の活動が低下していき、夜間から明け方に最低となるわけです。
そのため、深夜に車の運転をすると、最も体が疲れやすくミスを招きやすくなるということですね。
また、昼間と比べて夜になると、周りの景色が見えにくくなります。だから、視覚から入ってくる刺激が極端に減ってしまって、眠気がおきやすくなるわけです。特に、最近の車は静かで快適性が高いので、余計に眠たくなりますね。
一方、昼間だったら、歩行者や自転車、周囲の木々や車などがよく見えるでしょう。なので、色々な情報が入ってきて脳の意識レベルが刺激されるわけです。そのため、眠気が冴えていって、事故を起こしにくくなります。
昼間よりも夜間の方が死亡事故が多くなるのは、こういった理由が関係しています。夜の方が意識レベルが低下しているので、大事故に繋がる可能性が高くなるんですね。
ですから、夜間に運転する必要があるときには、音楽やラジオを聴いたり、ガムを噛んだりして脳に刺激を送ることが大切です。そして、少しでも疲労や眠気を感じたのであれば、休憩して仮眠を取るようにしてください。
携帯電話に気をとられると事故に遭いやすい
運転中に携帯電話やスマホを操作するのは、道路交通法違反となってしまいますよね。
でも、今だに運転中に電話をしている人を頻繁に見かけます。電話を操作すると視線が下を向いてしまうために、前方が見えなくなってしまいます。なので、ブレーキが遅れてしまって、事故を引き起こす原因となるわけですね。
特に、最近だとスマホが普及しているので、目を奪われやすいです。Lineで送られてきた写真を見ただけで、いつの間にか2〜3秒たっているということも珍しくありません。
あるデータによると、運転中に携帯電話を使用すると、通常よりも事故を起こす可能性が4倍に跳ね上がるそうです。
なので、運転中は携帯電話やスマホを手に取らないということが大切ですね。
思わぬ不注意で事故を招くことも
運転者の不注意で、交通事故が起きてしまうこともあります。たとえば、前を見ていなかったり、考え事をしていてハンドル操作が遅れたりといったことですね。
このような不注意の原因としては、「内的要因」と「外的要因」の2つがあります。
内的要因 | 考え事をする。過労による集中力の低下。など |
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外的要因 | 道路わきの看板に気を取られる。同乗者との会話に夢中になる。など |
一般的に、若者ほど好奇心が強いので、外的要因で事故に遭う可能性が高いですね。一方、高齢者になると老化などによって、内的要因で運転ミスをする確率がアップするわけです。
だから、常日頃から周りへの注意を怠らないようにしましょう。
ただ、ちゃんと注意をしていても、盲点ができてしまう場合があります。進行方向しか見ていないと、死角から車や歩行者が飛び出してくる可能性があるので注意してください。
右折時 | 右方向に気を取られて、左側が盲点となる。左から歩行者や自転車が飛び出してくるかも。 |
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左折時 | 交差点の手前で左後方を確認しても、交差点に進入した時に左後方からバイクが来るかも。 |
直進時 | 前方を見すぎると、手前の横断歩道にいる歩行者を見逃す。 |
発進時 | 路地から大通りに出る際に、左右の確認を忘れる。 |
後退時 | 左右のミラーしか見ていないと、真後ろの歩行者を見逃す。 |
通常であれば、しっかりと確認するはずですが、先述の「内的要因」や「外的要因」などが影響すると思わぬ不注意を引き起こす可能性があります。
なので、自分の確認が疎かになっていないか、常に疑うといったことが大切ですね。
以上、感覚のズレによる交通事故の要因を解説しました。
運転に自信がある人でも、絶対に事故をしないという保証はありません。知らないうちに感覚がズレている可能性があるので、根拠のない自信を持たないようにしてください。