車両料率クラスとは何か?自動車保険の保険料を決める要因

車両料率クラスとは何か?自動車保険の保険料を決める要因

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自動車保険の保険料は、被保険者のリスク要因や等級に基づいて決められます。年齢が若かったり、車に乗る頻度が高い人は保険料が上がる傾向にあるでしょう。また、無事故を継続して等級が高くなるほど保険料は安くなるわけです。

 

そして、他の要因として、「車両料率クラス」というものがあります。これは、車の型式ごとにクラス分けをしており、個別の保険料率を採用するというものですね。契約自動車によって保険料が異なるので、注意しなくてはいけません。

 

ここでは、車両料率クラスについて解説をします。

 

車両料率クラスとは何か?自動車保険の保険料を決める要因

 

車両料率クラスとは

 

車両料率クラスは、車の型式ごとに定められた危険度を表す指標です。過去の事故歴や保険支払い実績から判断し、1〜9の数字でランク分けされています。

 

具体的には、事故を起こすリスクの高い車ほど料率ランクが高くなり、事故のリスクが低いほど料率ランクは低くなるということですね。リスク細分型の一部として、ほとんどの保険会社で採用されています。

 

ここで注意するべきなのが、車種ではなく「型式」ごとに設定されているということです。たとえば、ホンダのフィットであっても、「DBA-GK3」「DBA-GE9」「UA-GD4」など、発売された年式やグレードによって型式は異なります。

 

同じ車種でも料率クラスが異なることがあるので、覚えておいてください。ちなみに、軽自動車においては、車両料率クラスはありません。

 

 

保険の種類ごとに料率クラスを設定

 

車両料率クラスが適用される保険は、次の通りです。

 

  • 対人賠償保険
  • 対物賠償保険
  • 傷害保険(搭乗者傷害・人身傷害・自損事故)
  • 車両保険

 

各保険ごとに個別の料率クラスが設定されているので、それに基づいて保険料が算出される仕組みとなっています。

 

たとえば、以下のように設定されるわけです。

 

コンパクトカー 対人賠償保険 3
対物賠償保険 3
傷害保険 5
車両保険 3
スポーツカー 対人賠償保険 7
対物賠償保険 4
傷害保険 6
車両保険 9

 

コンパクトカーの場合だと、街乗りの買い物などで使用されることが多いので、あまりスピードを出すことがありません。なので、対人・対物への被害が少ないと想定されますね。なので、対人・対物への料率は低く設定されます。

 

ただ、ボディ剛性が低いのでドライバーや同乗者が怪我をしやすく、傷害保険の料率は少し高めとなっていますね。

 

 

スポーツカーの場合であれば、スピードを出しやすい車なので対人・対物・車両保険への料率が高く設定されやすいでしょう。しかし、ボディは頑丈に作られているので、傷害保険の料率は比較的低くなりやすいといえます。

 

 

車両料率クラスはどのように決まるのか

 

料率クラスは、保険会社が独自に決めたものではありません。「損害保険料率算出機構」という機関によって、色々なデータを基に算出されています。ちなみに、損害保険料率算出機構は自賠責保険の保険料を決める機関としても知られていますね。

 

車両料率クラスの決まり方としては、「事故や盗難が多いか」というのが主な指標です。つまり、全国的に事故や盗難が多かった車は、料率クラスが高くなります。一方、全国的に事故や盗難が少ない車なら、料率クラスは低くなるということです。

 

全国的な統計を基にしているので、自分が事故を起こしたかどうかは関係ありません。無事故運転を何年も継続していても、同じ車種での事故が多かったら料率は高くなってしまいますね。

 

 

さらに、料率クラスの見直しは、毎年のように行われています。事故や盗難の発生率は変動しますから、それによって料率クラスも変わってくるということです。なので、契約更新時に保険料が値上げされたなら、料率クラスが上がっているかもしれません。

 

また、各保険会社は損害保険料率算出機構の基準を採用しているので、どの保険会社で契約しても同じ料率が加算されています。ですから、保険会社を変更しても車両料率クラスは変わらないですね。

 

 

自分の車の料率クラスを確認する

 

自分が乗っている車の料率クラスを確認するためには、保険証券を見るのが一番簡単です。保険証券を見てみると、「対人3対物4傷害5車両4」などの記載があると思います。これが、各保険における料率を示しているわけですね。

 

また、「そんぽ24」で見積もりをすると、契約車両の料率クラスを確認することもできます。車を買い替える予定があるのなら、該当車種で見積もりを取ってみると、詳細な保険料を知ることができるでしょう。

 

ただし、先述の通り料率クラスは変動しますから、数年後には料率が上がってしまうかもしれません。ですから、あまり神経質に考えないほうが良いかもしれませんね。

 

 

料率クラスの違いによる保険料の差について

 

車両クラス 車種一例 保険料一例 車両料率
1 ダイハツ・シャレード 33,110円 1.0倍
2 トヨタ・IQ 39,732円 1.2倍
3 トヨタ・MR2 46,354円 1.4倍
4 ダイハツ・ストーリア 56,287円 1.7倍
5 トヨタ・FJクルーザー 66,220円 2.0倍
6 レクサス・RX 82,775円 2.5倍
7 ベンツ・ML320 99,330円 3.0倍
8 BMW・X6 119,196円 3.6倍
9 ポルシェ・993 135,751円 4.1倍

 

上の表のように、車によって料率クラスが異なるので、保険料もかなり変動していますよね。料率「1」〜「9」の差としては、最大で4倍も変わっています。一般的には、高級車になるほど、料率は高くなる傾向にあるようです。

 

 

料率クラスが高いと車両保険に入れない?

 

料率クラスが最大の「9」になると、車両保険を断られるケースが出てきます。高級車は盗難率が高いですし、修理代も高額になるので、保険会社にとってのリスクが高くなるからですね。

 

通販型の自動車保険だと、料率7以上で車両保険に加入が難しくなってきます。ちなみに、セゾン自動車火災保険では、以下のように条件があります。

 

  • 初度登録から15年以上経過しているお車である場合
  • 車両料率クラスが9のお車である場合(高級車に多く存在します)
  • 当社が定めた市場販売価格相当額が1,000万円を超えるお車である場合

 

引用:おとなの自動車保険

 

さらに、記名被保険者の年齢が20歳未満の場合だと、料率クラスが「7」「8」であっても、車両保険に入れないことが多いですね。

 

このように、車両料率クラスが保険料に与える影響は大きいので、覚えておくようにしましょう。

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