自賠責保険は共同プール事務で成り立っている

自賠責保険は共同プール事務で成り立っている

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自賠責保険は、「被害者の救済」を目的としている保険です。交通事故に遭った被害者が最低限の補償を受けられるように、すべての自動車が強制的に加入する義務を負っています。

 

そのため、自賠責保険に関しては非営利主義となっていて、保険会社は利益を目的としてはいけません。これは「ノーロス・ノープロフィットの原則」と呼ばれていて、収支トントンで運営することが法律で規定されているわけですね。

 

しかし、それだと保険金の支払いが増えすぎた時に、保険会社の収支を圧迫してしまうでしょう。こういったことを防ぐために、「共同プール事務」という仕組みが作られています。

 

自賠責保険は共同プール事務で成り立っている

 

共同プール事務とは何か?

 

自賠責保険料の内訳は、「純保険料」と「付加保険料」の2つです。純保険料は保険金の支払いに充てられる部分で、付加保険料は人件費などの経費となっています。利益を全く取っていない形ですから、保険金の支払いが増えるとすぐに赤字となるわけです。

 

なので、各保険会社が集めた純保険料を一か所に集め、配分率に応じて各保険会社に分配する仕組みを採用しています。配分率は、前年度の純保険料実績や収支などによって算出されます。これが、「共同プール事務」と呼ばれるものですね。

 

簡単に言えば、保険会社間の共済のような感じです。保険料を再分配することで、想定以上の保険金の支払い請求が来ても赤字にはなりません。

 

 

たとえば、ある保険会社が契約者全体から得た自賠責保険料が100万円だとして、保険金の支払いが150万円だったとします。すると、50万円の赤字となってしまいますよね。でも、翌年の分配金で相殺されるので、赤字にはならないわけです。

 

だから、保険会社は安心して自賠責保険を運営できるようになります。

 

 

自賠責保険料は最低限の価格でないといけない

 

先述の通り、自賠責保険は、すべてのドライバーが加入する強制保険です。自賠責保険に加入せずに、車を運転することはできません。みんなが加入する保険であるからこそ、あまり高額では困るわけですね。

 

実は、任意保険の加入率は、全国で70%ほどしかありません。一般的には、任意保険に加入するのが当たり前という認識なのですが、加入率は70%程度にとどまっているわけです。

 

だから、自賠責保険に関しては、もっと低額に抑えないといけません。ただ、あまりに安すぎると、十分な損害賠償を支払うことができなくなりますし、保険会社も赤字となってしまいます。

 

被害者の救済という目的を考えると、保険料の設定は非常に難しいといえます。そこで、保険料の安さと被害者の救済を両立するために、共同プール事務が考え出されたということです。

 

この制度のおかげで最低限の補償が確保されているわけですから、車を運転する人は覚えておいてください。

 

もちろん、任意保険にも加入するべきなのは、言うまでもありません。

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