交通事故の示談交渉を成功させるための秘訣とは?
ツイート交通事故で被害を受けた時に、補償を受けることができるのが自動車保険です。万が一の時に保険金を受け取ることができるので、被害者の強い味方となるでしょう。
しかし、損保会社が保険金の支払いを拒否するというケースが頻発しています。
損保会社もビジネスなので、できる限り支払いを少なくしようと考えるわけです。なので、保険を掛けていたのにもかかわらず、泣き寝入りしている被害者も少なくありません。
もちろん、すべての損保会社がそうだとは限りませんが、中には悪質な会社もあるので注意しましょう。
そういったリスクを抑えるために、補償を受けるための交渉術を身に付けるようにしてください。
損保会社との交渉は不利な戦い!?
損保会社が保険金の支払いを渋った場合、かなり不利な戦いになることを知っておきましょう。個人で大企業と闘うわけですから、一筋縄ではいかないわけです。
以下で、その理由について解説をします。
経験値に大きな差がある
損保の担当者は、自動車保険における広範な知識を身に付けています。また、過去の裁判所での判例情報やクレーム対応の技術なども豊富なわけです。
今まで保険金の交渉を星の数ほどこなしているので、百戦錬磨ということですね。こういった自動車保険のプロに素人が立ち向かうのは、かなり分が悪いといえます。。。
そのため、上手く丸め込まれてしまう人が多いです。
足元を見られる
損保会社は、保険金の支払いを減らすための策略をいくつも持っています。被害者を丸め込むための言い回しや説得方法を心掛けているわけですね。
たとえば、本来は6か月の通院が必要な場合であっても、保険金を3カ月で止めてしまったりします。裁判になると損保会社に勝ち目はないのですが、あえて強引に支払いを止めてしまうわけです。
なぜなら、示談交渉に持ち込むことで、トータルの支払いが安くなるからですね。こういった策略を練ってこられると、少額の保険金しか受け取れなくなってしまうでしょう。
資金力で及ばない
損保会社は大企業ですから、潤沢な資金力を持っています。なので、長期的な裁判になってしまうと、個人では資金的に苦しくなってしまうわけですね。
自動車保険には「弁護士費用担保特約」がありますが、最大でも300万円までの費用しか補償されません。ですから、それを超える部分に関しては、自腹で負担する必要があります。
そのため、資金が足りなくなって、安い示談金で泣き寝入りしてしまう人が多いです。
中立的なADR機関に仲裁してもらおう!
法律の知識の無い素人が、いきなり裁判を行うのは気が引けますよね。
大抵の人は裁判の経験がありませんし、分からないことが多いはずです。また、お金と時間が膨大にかかってくるので、出来ることなら早く解決したいと思うでしょう。
なので、まずはADR機関を利用して公平なジャッジをしてもらうようにしてください。ADR機関に相談すると、担当の弁護士が双方の意見を聞いたうえで、仲裁できるような案を提示してもらえます。無料で利用できますし、解決までのスピードが早いのが特徴ですね。
ADR機関には、以下の2つがあります。
交通事故紛争処理センター
交通事故による損害賠償の相談や示談について手助けしてくれる機関です。被害者と損保会社の両方からの意見を聞いたうえで、担当弁護士が中立的な立場から妥当な示談金を提示してもらうことができます。
この示談金に納得できなければ、審査会に回されます。審査会では、元裁判官や大学教授、弁護士などによって、詳細に審議が行われるわけです。これによって、最終的な示談金が決定されることになります。
審査会の結論に関しては、損保会社は拒否できません。だから、この示談金に被害者が納得すれば、それで示談が成立するということですね。
そして、これでも被害者が納得できなければ、交渉決裂ということで訴訟に持ち込むことができます。
ただ、審査が遅いというデメリットがあります。申し込みから3〜4カ月しないと順番が回ってきませんし、複雑な案件だと全てが終わるまでに1年以上かかることも珍しくありません。
日弁連交通事故相談センター
日本弁護士連合会(日弁連)が運営している組織で、交通事故による損害賠償問題についての相談を行っています。交通事故紛争処理センターと同じように、担当弁護士が中立的な立場から適正な示談金を提示してくれるわけです。
こちらは、加害者側の保険が日弁連で定めている共済である場合に有効ですね。その共済とは、以下の7つとなります。
- 全労済のマイカー共済
- 教職員共済生協の自動車共済
- JAの自動車共済
- 自治協会の自動車共済
- 都市生協の自動車共済
- 市有物件共済会の自動車共済
- 自治労共済生協の自動車共済
上記に該当する共済が相手であれば、日弁連での評決に強制力があります。なので、被害者が納得しさえすれば、それで示談が成立するわけですね。
そして、進行が早いというメリットもあります。大抵の場合は、3〜4カ月で審査が終了するので、スピーディに示談を進めたいのならおススメできるかもしれません。
こういったADR機関でも解決できないのなら、裁判を行うしかありません。交通事故に詳しい弁護士に相談をして、訴訟の準備を行うようにしてください。
弁護士を立てるときの注意点とは?
話し合いで解決できない場合、弁護士を立てて戦うことになります。といっても、個人だと出せる費用に限界があるので、短期決戦で決着をつけることが大切です。
そのためには、優秀な弁護士を雇わないといけません。
「弁護士なんて誰でも同じでしょ?」
と思うかもしれませんが、実は弁護士の中にも得意とする分野が異なっています。過払い金回収や債務整理、離婚問題など、各分野に精通した弁護士が存在しているわけです。
なので、交通事故を得意としている弁護士を見つけるようにしましょう。
弁護士の探し方については、以下の方法があります。
- 知人から紹介してもらう
- ネットで検索する
- 交通事故関連の書籍の著者に依頼する
知人から紹介してもらう
過去に損保会社と裁判をした知人がいるなら、その人から弁護士を紹介してもらいましょう。交通事故は年間で50万件以上も発生しているので、被害に遭ったことがある知人がいるはずです。
知人からも色々な体験談を聞くことができますから、有利に裁判を進められるかもしれません。なので、自分の知り合いに連絡を取ってみましょう。
ネットで検索する
最近はインターネットが発達しているので、交通事故に精通した弁護士を探すのは簡単です。「交通事故 弁護士」などで検索すれば、多くの弁護士事務所がヒットします。それでいくつかの事務所に連絡をしてみて、一番信頼できそうな人に依頼するのが良いでしょう。
ただし、色々な案件の一部として交通事故を扱っている事務所には注意してください。そういった所は、交通事故専門ではありませんから、十分な知識を持っていない可能性があります。
交通事故関連の書籍の著者に依頼する
本屋さんに行くと、交通事故に関する本がたくさんあります。そういった本の多くは弁護士が書いているものなので、その著者に相談するのも良いでしょう。
本を出せるほど専門知識を持っているわけですし、経験値も豊富なので力になってくれるはずです。
ただ、人気の弁護士でしょうから、順番待ちになる可能性があります。なので、急いでいる時には注意しましょう。
弁護士業界において交通事故は特殊な分野なので、専門としている弁護士が少ないという現状があります。自動車保険の内容も複雑ですから、敬遠する弁護士が多いからですね。
なので、良い弁護士を見つけるのが難しいかもしれませんが、根気よく探すようにしてください。
弁護士費用担保特約を過信してはいけない!
先述したように、自動車保険には「弁護士費用担保特約」というものがあります。これは、弁護士費用を300万円まで、相談料を10万円まで補償してもらえる特約です。
しかし、裁判をするときに使える特約ですが、保険会社によっては払い渋りが起きるかもしれません。
たとえば、人身傷害補償保険などで、自分の保険会社に請求するようなケースです。この場合、損保会社からすると、裁判になると保険金が高額になって損失となってしまいます。自社で裁判費用を負担した上に、保険金まで増えてしまうのは問題ですよね。
なので、勝手な理由を付けて、支払い対象外とされてしまうことがあるわけです。そのため、口コミなどを見て信頼性の高い損保会社を選択しないといけません。
以上、保険会社との交渉について解説をしました。
自分一人で示談交渉をするのは大変なので、ADR機関や弁護士に依頼をしてください。早めに対処することができれば、自分の納得のいく形で示談に持ち込むことができるはずです。