等級を家族間で引き継ぐときに注意するべきポイントとは?
ツイート自動車保険の等級は、家族間で引き継ぐことができます。たとえば、車に乗らなくなった祖父の等級を、娘に引き継いだりすることが可能なわけですね。高い等級を捨てるのはもったいないですから、できるだけ家族に渡すようにしてください。
ただし、家族間での等級の引継ぎには、いくつかの条件が設けられています。これを間違えると等級がリセットされてしますので、気を付けるようにしましょう。
ここでは、家族間での等級の引継ぎについて解説をします。
等級の引継ぎルールに関して
等級の引継ぎといえば、保険会社を変更するときが一般的ですよね。代理店型から通販型に移行するときなどに、今までの等級も一緒に引継ぎをすることができます。そうすることで、最初から安い保険料で契約できるわけです。
自動車保険は1年契約なので、満期になると自動的に契約が終了となります。なので、その際に契約を更新するか、他の保険会社に変更するかを選べるわけですね。
満期日を持って他の保険会社と契約すれば、そのまま等級も一緒に引き継ぐことができます。
「満期日の翌日から起算して7日以内」に手続きをすれば、一部の共済を除いてすべて保険会社に移行することができます。
家族間で等級の譲渡は可能
それとは別に、家族間でも等級の引継ぎをすることができるわけです。これは、あまり知っている人が少ないでしょう。保険業界では、「吐き出し新規」「押し出し新規」などと呼ばれます。
たとえば、子供が免許を取って車を買った時に、自分の等級を譲渡することができます。または、車を引退した時に中断証明書を取っておき、数年後に家族が車を買った時などにも等級の譲渡は可能です。
ただし、以下のような条件があります。
- 契約者の配偶者(内縁関係でも可)
- 契約者の同居の親族
- 配偶者の同居の親族
つまり、同居しているかどうかが重要だということですね。たとえ親族であっても、別居している場合は等級の引継ぎはできません。
だから、親元を離れて一人暮らしをしている子供などは、対象外となってしまうということです。「運転者家族限定特約」などは別居の子供も含まれるのですが、等級の引継ぎはできないので注意してください。
等級の交換はできない
家族間の等級の引継ぎは、以下のケースを前提としています。
- 自動車を新規に取得したとき
- 契約車両を廃車にしたとき
- 契約車両を譲渡するとき
- 複数台契約でさらに増車するとき
- 複数台契約で減車するとき
そのため、単純な等級の交換はできません。たとえば、親の20等級と子供の10等級を、交換するといったことはできないわけです。
家族で等級を引き継ぐと保険料の節約になる!
たとえば、子供が新しく車を購入した時を想定してみましょう。この時に、親の等級(20等級)を子供に譲渡すれば、かなり保険料は安くなります。
■シミュレーション内容
- 車種:トヨタ・ヴォクシー
- 年齢:20歳
- 免許の色:ブルー
- 運転者本人限定
- 事故有係数なし
- 対人・対物賠償:無制限
- 人身傷害保険:5,000万円
- 搭乗者傷害保険:1,000万円
- 車両保険:なし
6等級の場合の保険料 | 143,380円 |
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20等級の場合の保険料 | 42,720円 |
普通に新規で契約すると、保険料は約14万円となっています。それに対し、親の20等級で加入すれば、約4万円になるので10万円も安くなったことになります。
親の保険を新規で入り直しても、「35歳以上」になるので6等級でも保険料は安いはずです。なので、トータルで考えると、保険料を節約することができるということですね。
等級の引継ぎをうまく活用する小技
子供が車を買った時
子供が免許を取って、車を購入したとします。すると、自動車保険も新規で加入すると思いますが、10代・20代だと保険料が高くなってしまいます。そんなときに、等級の引継ぎを使いましょう。
具体的には、等級が上がった親の保険を、子供に引き継ぐわけです。すると、子供でも安い保険料で、自動車保険に入ることができます。親の保険は新規で入り直しますが、セカンドカー割引を使えるので7等級から始めることができますね。
家族全体のトータルで考えると、保険料を節約することができるでしょう。
複数台所有で台数を減らすとき
家族で複数台の車を所有するのは珍しくありませんが、使わなくなった車を処分することがあるでしょう。そういった時は、一番低い等級の自動車保険を解約して、残った車に高い等級の保険を割り当てます。
そうすれば、最も安い保険料で継続することができるわけですね。せっかく上がった等級を捨てるのはもったいないので、車両入替を行って損が無いようにしてください。
複数台所有で車を買い替えるとき
複数所有の中の一台を、買い替えるとします。その時には、保険料が高い車に対して、等級が高い保険を適用しましょう。人気車や高級車は、車両保険が高額になる傾向があります。
なので、高い等級の保険があれば、保険料を下げることができるわけですね。特に、新車での買い替えなら、大切に扱いたいと思うでしょう。等級をうまく引き継げば、車両保険も安くなりますよ。
等級を引き継ぐための手続き
面倒な手続きが必要だと思うかもしれませんが、手続き自体は非常に簡単です。基本的には、「車両入替」と「名義変更」の2つの手続きが必要となります。保険会社によっても変わりますから、コールセンターに連絡して聞いてみてください。
子供が車を買った時であれば、以下のようなフローになると思います。
- 子供が車を購入する
- 親の保険の契約車両を子供の車に車両入替する
- 親の保険の名義を子供に変更する
- 親の保険は新規で再度契約する
車両入替をしたときに、年齢や運転者の条件を変更することを忘れないでください。年齢条件や運転者の限定をしていると、補償の対象外となってしまいます。