車両無過失事故に関する特約とは?車両保険で等級ダウンしない特約
ツイート車同士の事故をすると、自分の車への損害は相手の保険から補償してもらうことができます。対物賠償保険に加入していれば、過失割合に応じて保険金を受け取ることができるでしょう。
しかし、すべての人が任意保険に加入しているとは限りません。全国の任意保険の加入率は、87.3%となっています。つまり、約13%の人が任意保険に未加入というわけですね。
自賠責保険には対物賠償はありませんから、任意保険未加入の人と事故をすると車の修理費は一切補償されないということです。自分が車両保険に加入していれば補償されますが、翌年の等級が下がってしまいます。
翌年から3等級ダウンとなり事故有係数も加算されるので、相当な保険料アップとなるでしょう。お互いに過失のある事故なら良いのですが、自分の過失がゼロの事故の場合だと納得できませんよね。
車両無過失事故に関する特約の概要
「車両無過失事故に関する特約」とは、無過失の事故に巻き込まれて相手が無保険だった場合、車両保険を使っても等級がダウンしないようになる特約です。
無過失事故というのは、以下のようなケースが該当しますね。
- 走行中に追突された
- 駐停車中に衝突された
- センターラインをオーバーした車と衝突した
- 信号無視の車と衝突した
このような原因で事故になった場合、自分の過失はゼロになるわけです。損害賠償は相手がすべて支払うことになりますが、無保険で支払い能力もないのなら裁判をするしかありません。
しかし、裁判で勝ったとしても、修理費用を回収するのは不可能でしょう。相手が個人ならお金がないと言われたら終わりですし、無い袖は振れないということですね。
そこで、自分の車両保険を使うことになるのですが、「車両無過失事故に関する特約」があると保険を使っても等級が下がりません。自分や同乗者が怪我をして傷害保険を使うことになっても、等級への影響はないわけです。
無過失事故ではノーリスクで保険を使うことができるので、車両保険に加入するなら絶対に付帯しておきたい特約です。
特約の適用条件
ただ、無過失事故なら何でも適用されるわけではなく、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 被保険者の無過失が確定している
- 車やバイクとの事故である
- 相手の運転者や車両所有者の住所・氏名が確認できている
つまり、少しでも自分に過失があったり、当て逃げなどの被害に遭った場合には、特約の対象にならないということです。
また、車両保険の他のオプションを利用した場合にも、この特約を使用することができません。たとえば、「車両新価特約」などですね。
車両無過失事故に関する特約の必要性
お金を回収するのは難しい
相手が無保険だった場合には、車の修理費を補償してもらえません。修理費を支払うように催促をしても、まともに取り合ってくれることは無いでしょう。そもそも、任意保険に入らないような人に、誠意があるとは思えませんよね。
だから、相手からお金を回収するのは、非常に難しいわけです。こんなことでストレスを溜め込んでしまうのは、無駄なことだといえるでしょう。自分の保険で解決できるのなら、その方が良いと思います。
裁判をすると時間と手間が掛かる
相手が支払いに応じなければ、裁判をすることになります。しかし、裁判で勝ったとしても、回収をするのは極めて困難です。裁判所には支払いを強制する権限はないですし、相手の口座情報などが分からないと差し押さえもできません。
結局は、無駄な時間を過ごすことになってしまうわけです。それだったら、裁判をすることなく、最初から車両保険で補償を受けた方が良いですね。
保険料は変わらない
車両保険で補償を受けたとしても、「車両無過失事故に関する特約」があると等級は下がりません。事故有係数も加算されませんから、完全にノーカウント事故として扱われるわけです。
等級のダウンが嫌で車両保険を使えなかった人も、この特約があることで補償を受けることができます。自分にとってのリスクはありませんから、活用しない手はありません。
弁護士費用特約と組み合わせよう
車両無過失事故に関する特約は、無過失事故に巻き込まれた際に使うことができる特約です。そして、同じシチュエーションで使える特約として、「弁護士費用特約」があります。
無過失事故の場合だと、保険会社は示談の代行をしてくれません。これは弁護士法で定められていることで、自分に1%でも過失が無ければ保険会社が間に入ってくれることは無いわけです。
なので、自分で相手と示談交渉をするか、弁護士を雇う必要があります。しかし、法律の知識がないと交渉は難しいですし、弁護士を雇うのにもお金がかかるでしょう。
そこで弁護士費用特約があれば、弁護士を雇う際に必要な費用を補償してもらうことができます。
車両無過失事故に関する特約と一緒に使うことが多い特約なので、同時に付帯しておくと良いですね。