もらい事故の示談交渉では保険会社は助けてくれない!
ツイート任意保険に加入していれば、事故が起きた時に示談の代行から保険金の支払いまでのすべてをやってもらうことができます。自分でやることはほとんどありませんから、法律の知識がない人でも安心です。
しかし、自分に過失の無い「もらい事故」の場合だと、自分の保険会社は示談交渉をしてくれません。相手の保険会社との交渉などは、すべて自力でやる必要があるので注意しましょう。
ここでは、もらい事故での示談交渉について紹介します。
保険会社が示談の代行をしない理由
交通事故の多くは、双方に責任が認められます。6:4などの過失割合となるので、お互いが被害者であり加害者となりえるわけです。
すると、自分の保険会社も保険金を支払うことになり、事故の当事者となります。なので、契約者の代わりに示談の代行をすることができるわけですね。
でも、自分に全くの過失の無い「もらい事故」の場合だと、保険会社は保険金の支払い義務が生じません。保険会社は事故の部外者となるので、示談の代行などをすることができないということです。
これは法律で決められていることであり、違反してしまうと弁護士法(第72条 非弁活動の禁止)に抵触します。弁護士の資格を持っていない人は、無関係な法律事件に介入することができません。
示談代行ができない事故
たとえば、以下のような事故が起きた時は、保険会社で示談を行うことができないことになっています。
- 赤信号で止まっているときに追突された
- 駐車場で駐車中にぶつけられた
- 対向車がセンターラインをオーバーして衝突した
- 交差点で信号無視の車と衝突した
このような事故は相手の過失が100%となり、保険会社の示談代行サービスを受けることができません。そのため、相手の保険会社と自分で交渉する必要があるわけです。
もらい事故の件数は意外と多くて、すべての事故のうち3割程度が該当するようです。年間で約18万件もありますから、他人事ではないでしょう。
もらい事故でトラブルになるケース
保険会社の示談代行が受けられなくても、事故相手が誠実に対応してくれれば問題はありません。相手が任意保険に加入しているのなら、そこから賠償金を受け取ることができるからですね。
しかし、自賠責保険しか加入していない人も一定数いますし、相手の保険会社が支払いを渋るケースもあります。法律の知識がない人は、泣き寝入りしてしまうことも少なくありません。
また、賠償金を受け取ることができても、それが相場よりも低いことに気付かないこともあるわけです。示談が決裂すると裁判をすることになりますが、その費用は自己負担ですし時間や手間も掛かってしまいます。
このように、もらい事故だと色々なリスクがありますから、巻き込まれないように日頃から注意しないといけませんね。
もらい事故に対処するためには?
もらい事故というのは、ある日突然やってくるものです。どれだけ注意していても、巻き込まれてしまうことはあるでしょう。なので、万が一の時のために、対処法を用意しておく必要があります。
弁護士費用等担保特約
全くの素人が、自力で損害賠償を請求するのは難しいと思います。そういった時のために、「弁護士費用等担保特約」に入っておきましょう。これは、弁護士への相談料として10万円、裁判費用として300万円を限度に補償を受けることができる特約です。
もらい事故の場合に使用することができますから、付帯しておいて損はありません。補償の範囲も、被保険者や同居の親族、別居の未婚の子供まで適用可能です。使用しても等級がダウンしませんので、かなり使い勝手の良い特約ですね。
車両保険
車両保険に加入していれば、車の修理費用を補償してもらうことができます。もらい事故の場合でも、保険がおりますから高価な車なら入っておくべきですね。
一般車両保険なら、当て逃げされたときにも保険金を受けるとことが可能です。ただし、保険料が高額になってしまうので、自分のお財布と相談して加入を決めるようにしてください。
車同士の事故だけでいいのなら、保険料の安いエコノミータイプで十分です。
人身傷害保険
人身傷害保険では、過失割合に関係なく怪我の治療費を受け取ることができます。だから、無過失の事故に巻き込まれたときにも、保険金の支払いがあるわけですね。実際にかかった損害が補償されるので、自己負担がありません。
記名被保険者と同居の家族であれば、契約車両以外に乗っていても補償を受けることができます。なので、複数台の車を所有しているのなら、人身傷害保険は1つだけ加入すれば良いことになりますね。
もらい事故相談サービス
保険会社によっては、もらい事故の相談サービスを設けている場合があります。示談の代行ができない代わりに、適切なアドバイスをしてもらえるわけですね。何から手を付けて良いか分からないなら、かなり力強い助けになるはずです。
ベストな対処法を教えてもらえるので、積極的に利用するべきだと思います。保険会社にはコールセンターがありますから、一度聞いてみると良いでしょう。
自力で示談交渉をすることになったら
相手の保険会社と示談交渉をすることになったら、まずは冷静でいることが大切です。あまり感情的になってしまうと、交渉が上手くいかずに自分の言い分を聞いてもらうことができません。
自分の被害状況を正確に伝えることができれば、それに応じた賠償金を支払ってもらえるはずです。ポイントとなるのは、客観的な証拠を残すことですね。医師の診断書や修理の見積書など、証拠があれば交渉を有利に進められるはずです。
感情的に怒鳴っても、何の解決にもならないことを覚えておきましょう。示談交渉に関しては、以下のページも参考にしてください。