自賠責保険の16条請求とは?被害者からの直接請求ができる制度

自賠責保険の16条請求とは?被害者からの直接請求ができる制度

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交通事故を起こして相手に賠償するときには、まずは自分で相手に損害賠償を支払ってから、その分を自賠責保険から請求することになります。これを「15条請求」といいますね。

 

もしくは、任意保険に加入している場合には、任意保険会社が自賠責保険も一括して請求する「任意一括請求」をすることになります。対人賠償については自賠責保険から支払い、それで足りない部分は任意保険から補うということです。

 

しかし、相手の支払い能力が無かったり、任意保険に入っていないなら、「16条請求」という方法を行うことになります。

 

自賠責保険の16条請求とは?被害者からの直接請求ができる制度

 

16条請求とは何か?

 

16条請求とは、別名「被害者請求」とも呼ばれます。これは、加害者に支払い能力がなかった時に、被害者から加害者の自賠責保険に賠償請求するという方法です。これにより、加害者から賠償金を受け取れなくても、自賠責保険から保険金が支払われます。

 

他にも、以下のようなケースの時に、16条請求を使うのが良いでしょう。

 

 

被害者の過失割合が大きい

 

被害者の過失割合が大きい時には、任意保険を使わずに自賠責保険で16条請求をしたほうが得になることがあります。自賠責保険でも重過失減額がありますが、減額率が少ないわけです。

 

自賠責保険が減額される・支払われないケース

 

ただし、自賠責保険の限度額は低いので、被害が大きい場合には任意保険を使用したほうが良いでしょう。

 

 

早急に賠償金を受け取りたい

 

事故で仕事ができなくなった時などは、治療費や生活費の負担が重くなりますよね。貯金に余裕がない時などに、16条請求をすれば早く保険金を受け取ることができます。

 

15条請求や任意一括請求の場合だと、示談が成立するまでは保険金は支払われません。しかし、16条請求なら後遺障害の等級認定が決まれば、示談が成立していなくても保険金の支払いが行われます。

 

また、仮渡金制度を使うことで、1週間程度でまとまった金額を受け取ることも可能です。

 

 

自賠責保険は被害者を守るためにある

 

そもそも、なぜ自賠責保険が強制保険なのかというと、交通事故の被害者を救済するという目的があるからです。無保険の車と事故をしてしまうと、加害者から賠償金を請求しなくてはいけません。

 

しかし、支払い能力が無ければ、それで泣き寝入りするしかないわけですね。実際、自賠責保険が無かった頃は、交通事故で賠償が受けられない人が頻発していました。

 

そこで、1955年に自動車損害賠償保障法が施行されて、自賠責保険の加入が義務となったわけですね。事故に遭った人は誰でも、最低限の補償が受けられるようになっています。

 

こういった経緯から、被害者が直接請求できる16条請求も規定されているわけです。もしも事故に遭ってしまった時のために、覚えておくようにしましょう。

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