3等級ダウン・1等級ダウン・ノーカウント事故の違いについて
ツイート自動車保険が定義する事故には、3つの種類があります。それが、「3等級ダウン事故」「1等級ダウン事故」「ノーカウント事故」の3つですね。事故の種類によって翌年の等級が変わるため、保険料に大きな影響を与えてしまいます。
さらに、「事故有係数」という割増料率も加算されるので、保険料が20%以上も変わってしまうことが少なくありません。ですから、事故の内容によっては、保険を適用しない方が得になる場合だってあるわけです。
保険料を節約するために、事故の種類についての知識を付けておきましょう。
3タイプの事故について知る
「3等級ダウン事故」「1等級ダウン事故」「ノーカウント事故」の違いは、下の表のとおりです。
事故の種類 | 事故の内容 | 翌年の等級 |
---|---|---|
3等級ダウン事故 |
他人を死傷させた |
3等級下がる |
1等級ダウン事故 | 盗難や落書きなどによる車の破損 | 1等級ダウン |
ノーカウント事故 |
自分や同乗者が怪我をした |
等級に影響なし |
事故の種類によって、翌年の等級のダウン数が異なるわけですね。非常に大切な概念ですから、覚えておくようにしてください。
3等級ダウン事故
交通事故により他人を死傷させて対人賠償保険が支払われたり、他人の財物を壊して対物賠償保険が支払われる事故のことです。こういった事故を起こすと、翌年の等級が3等級ダウンすることになります。
基本的に、交通事故で自動車保険を適用すると、3等級ダウン事故になることがほとんどですね。これに加えて、事故有係数も3年加算されることになります。元の等級と無事故係数に戻るまでには、無事故運転を3年間継続しなくてはいけません。
時間や金銭的にかなりのロスとなってしまいますから、保険を使う時には慎重に考えるようにしましょう。
1等級ダウン事故
自分に落ち度がない理由で車両保険を使った場合、1等級ダウン事故として処理されます。たとえば、車が盗難されたり落書きをされたりして、車両保険を使ったようなときですね。
主な発生要因として、次のようなものが該当します。
- 火災や爆発
- 盗難
- 飛び石や飛来物、落下物による窓ガラスの破損
- 落書きやいたずら
- 台風、竜巻、洪水、高潮
このような原因で車両保険を使用すると、翌年の等級が1等級ダウンして、事故有係数も1年間加算されるようになります。
なので、軽い損害の場合には、自腹で車を修理したほうが良いかもしれません。たとえば、損害額が6万円で免責金額が5万円だった場合、1万円の保険金が支払われることになります。
翌年に1等級ダウンとなるので、保険料は20%ほどのアップになるわけです。これだと、1万円以上の値上げになる可能性が高いですから、保険金を請求したほうが損ということになりますね。
そのため、小さな損害の場合には、保険を適用しないようにしましょう。損害額と翌年の保険料増加を比較してみて、どちらが得になるのかを考えてください。
ちなみに、かつては「等級据え置き事故」として、等級がダウンしないタイプの事故でした。しかし、2012年の等級制度の改定に伴って、等級据え置き事故は廃止されて、1等級ダウン事故として処理されるようになったわけです。
この理由としては、損保会社の収益率の低下だといわれていますね。「等級プロテクト特約」などもありましたが、同じ理由で廃止されてしまいました。
ノーカウント事故
保険を使っても等級がダウンしない事故を、「ノーカウント事故」といいます。ノーカウント事故には、以下のようなものがありますね。
- 人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険のみの支払い
- 弁護士費用等担保特約のみの支払い
- ファミリーバイク特約のみの支払い
- 無保険車傷害保険のみの支払い
他にも、保険会社によって、適用される保険や特約が異なっているようです。ノーカウント事故に該当する場合には、遠慮なく保険を使うようにしましょう。
以上、自動車保険における事故の種類によって紹介しました。これを知っておかないと、トータルの自己負担が高くなってしまう可能性があります。なので、事故の損害額と翌年の保険料を比較して、保険を使うかどうかを考えるようにしてください。